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2008.04.03
アートの戦場「101TOKYO」

千代田区の旧練成中学校を利用して、新たに始まった現代アートフェア「101TOKYO」の第1回が開かれている(2008年4月3日~6日まで)。
「東京で最初の真の国際的現代アートフェア」を銘打っているだけあって、2日のオープニングパーティーも国際色豊か。アートな学生から、一癖ありそうなアーティスト、笑みを絶やさないディーラー風の方まで、さまざまな顔ぶれでごった返していた。
会場デザインを担当したのは、建築・デザインユニットであるpointの長岡勉さん+田中正弘さん。

広い会場スペースを28のブースに仕切っている。ブースは基本的に正方形の同面積。その四隅にアーチ型の開口が設けられている。来場者はそこを抜けて、別のブースに移ることになる。縦に進むも、横に進むも、斜めに進むも自由。通路というものがないので、ブースに入りやすい、そして出やすい。
ブースというのは担当者が座っていたりすると、入るのに勇気が必要だったりするわけだが、ここではブースが通路でもあるので、パーティで世間話を切り上げるくらいの感覚でスマートに巡回できそうだ。

会場は多種多様な(という他ない)アートであふれているのだが、関係者が見れば何が売れるのか、何が残るのか、ピンとくるのだろう。そして、どの直観が正しかったのかも試されるのだろう。
アートを作る人も、それを売る人も、買う人も、そんな場に乗っかる人も、親しく交流しながら、値踏みしあう。アートフェアの中でも、現代アートが対象の「101TOKYO」は、特にその性格が強い。確立した価値やストーリーを提示する「展覧会」とは似て非なるものだ。
フラットな会場デザインは、そんな「バトルフィールド」にふさわしい設定だと感じた。ルールはボードゲームみたいだし。
デザインもさることながら、「そのキャラが好き」と建築・アート関係者にファンの多い長岡さん。昨日も多くの人に呼び止められて、快活に言葉を交わしていた。
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