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海星学園02

9月29日に行った孤風院のリノベーション・インタビューが、Website Renovation Forumのサイトにアップされている。

http://forum.inax.co.jp/renovation/index.html

個人的には、文字化で改めて発見することが多かった。
当日の模様が臨場感を失わずに活字化されているところは、さすが編集者が入っての仕事。
「あとがき」も付けることになって、これも出版メディア的である。
熊本大学の田中さんのインタビューも収録されている。田中さんとは大学時代の同級生。
29日はすれ違ってしまった(新堀さんのインタビュー時には僕が未着で、僕が着いた時には別の用事で田中さんは熊本市内に戻っていた)のだが、翌日、久々に酒を酌み交わすことができた。田中さんの師である古谷誠章先生もよく来るという郷土料理の店で、どれもこれも美味しかった。田中さんは学生時代と変わらず生き生きとしていた。研究室の院生も元気がよかった。建築が好きで、まじめで、さわやか。

海星学園01

そんな院生から数日前にメールが届いた。僕の話を聞いて、長崎の吉阪隆正さん(U研)設計の海星学園を見に行ったという。
海星学園は1958年に完成したミッション・スクールの新校舎である。高低差のある敷地に、雁行して教室を配置。広い屋外テラスを設けて、学園全体の新たな交通路となるよう配慮したものだ。
建築というものに対する吉阪さんの考え方がよく現れたものとして、9月29日のレクチャーの際に、大学セミナー・ハウス(1965-78)・箱根国際観光センターコンペ案(1970)とともに採り上げた。

海星学園03

彼は学校とは思えないレベル差に圧倒されたと言い、発見したディテールの工夫をメールを伝えてくれた。最初に見た時の自分の興奮がよみがえってくるようだった。
土地に開削し、潜在的な可能性を発掘する。そんな、建築が土木でもあることの素晴らしさと、人の心理に配慮したプロダクトでもあることの面白さが、ないまぜになっていることに僕は心打たれたのだと、いまは文字にできる。
彼のメールで久し振りにまた長崎を訪れてみたいと思った。新しい言葉が出てくるような気がした。若い世代に接して。大学で教える良さとは、こんなところにもあるのだろうな。
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