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都城市民会館01

都城市民会館はモンスターである。
生命力に満ちて新しい世界を切り開こうとしている、姿かたちは見慣れず、独善の感は否めないけど、私たちに新しいものの見方を教えてくれる、心優しきモンスター。
東京オリンピックの年にデザインされ始め、1966年4月に宮崎県に誕生したそれが今、殺されようとしている。
モンスターは何でも呑み込む。
芸術家との協同があり、自然の水や光を庭園や屋上広場でわが物にし、構造だけでなく環境工学もデザインに取り込んで「工場萌え」な美学を実現させ、猥雑さすらも説得力に変えてしまう。
それが様々な要素の、ただの寄せ集めでないのは、有機的だからだ。素材は役割を分担し、要素のつなぎ目には最新の注意が払われている。
取り替え可能という意味での「メタボリズム」はそうした新たな有機性の一端であり、一端でしかない。これまでのヒューマニズムを超えたヒューマニズムを求めた大きな跳躍。

都城市民会館03

大きなことを言えば、高度成長のパワーが菊竹清訓という天才を通って具現化されているのである。アジアの「乱暴さ」の反映では、丹下健三さえ上まわる。
スローでナイーブでポストモダンな私たちは、これを愉しむことができる。「モンスターが未来の人間だった」なんてどんでん返しも夢見つつ、それは生かされ続けるべきだろう。
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