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大学セミナー・ハウスものがたり(2)から続く

入口@大学セミナー・ハウス

くちばしのように突き出た庇をくぐり、真鍮製の渦巻きドアノブを押して中に入る。1階にはロビーと事務室があり、利用者はまずここで手続きを済ませる。吹抜けにせり出した階段を登っていくと、館長室や会議室のある2階を過ぎて、3階のラウンジに出る。居心地の良い不均質さは、規則的でない窓の配置や床の高さの違いから生まれている。最も目立つ場所に、手の込んだ階段がある。鉄製の立体トラスの上に木製の踏板、鉄製の側柵が立ち、太い木製の手すりが載る。下はガラス張りで、1階まで見下ろせる。

ロビー@大学セミナー・ハウス
この魅力的な階段に誘われる以外にも、4階の食堂まで二通りの行き方がある。一つは登ってきた階段の延長で、階段・スロープ・階段と続くブリッジが、ロビー端の頭上を横断している。もう一つは、隣りの丘から外部ブリッジを通って入館する方法で、踊り場から食堂に上がれる。
ブリッジは工業製品のようなデザインで、手の跡を残したコンクリートの壁面とは好対照をなしている。食堂はセミナー・ハウスの定員200名が一同に会せる広さで設計された。シェル構造の天井は中央部が高く、食卓をゆるやかに包み込む。窓からは敷地全体が見渡せ、今では遠くに高層マンションが林立する。トップライトからの光も、解放感を与える。

階段@大学セミナー・ハウス

中央セミナー館は、50名を収容するホールである。本館から続く道は、敷地の中で唯一の直線になっている―とはいえ、実際に歩くと起伏に沿っているので、真っすぐな感じはあまりしないが。二つの建物はわざと軸線を外して、点対称に配されている。

中央セミナー館

開館時には、本館と中央セミナー館しか大きな建物は無かった。両者の対比は明らかだ。中央セミナー館は四角錐で、一段と低い位置に建ち、窓の無い閉鎖的な姿をしている。内部は一室構成で ― 地下に小さな機械室がある ― 採光のためのトップライトと人工照明以外に何も無い。集会という目的に特化した、禁欲的な作りである。

(倉方俊輔『吉阪隆正とル・コルビュジエ』より)
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