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2006.08.20
アマゾンでバカンス
帰省シーズンで、帰るところもないので、
Amazonで本をごっそり買って読んでいる。
ほとんどは建築と直接、関係のないもので、
たとえば1年ほど前に出た新書
三井誠『人類進化の700万年 ― 書き換えられる「ヒトの起源」』
(講談社現代新書、2005)は、刺激的だった。
文章が分かりやすいのが、美点の第一。
そして、現時点でわからないことを「わからない」とはっきり書いているのが、美点の第二。
だから、読み手は、自分たちが人類の来歴が書き変わりつつある現場にいるのだ
という実感を労なくして得ることができる。
著者は京都大学理学部を卒業した後、読売新聞に入社し、科学関係の記事を担当している。
「サイエンス・ライター」の必要性を教えてくれる本だ。
人類の進化は、4つの数字がキーになっているらしい。
以下に忘備録代わりのまとめを。
《700万年前》人類がアフリカで誕生(ここからホモ・サピエンスに続く流れがチンパンジーから枝分かれ)
「直立二足歩行」と「犬歯の縮小」という特徴を獲得。ただし、その理由については諸説あり、分かっていない。
《250万年前》脳の大型化の流れが始まる(ここからがホモ族)
「道具の使用」=石を砕いて石器をつくり、石器を使って動物の骨から肉をはぎとって食べるようになる。
→ やがて(180万年前に)アフリカを出て、比較的短期間(20万年)でアジアにまで進出
→ 食物が高エネルギー化したことで、脳の大型化がさらに進む
→ 火の使用(80万年前?)、狩猟の開始(40万年以上前)
《20万年前》現生人類がアフリカで誕生(ここからがホモ・サピエンス)
知力に優れたホモ・サピエンスが生まれ、再びアフリカを出て地球中に拡散。
その他の種(ネアンデルタール人、ジャワ原人、北京原人など)は、現代に何の遺伝子も残さず絶滅。
《7万5000年前》象徴を扱い始める
この頃の刻み目が入った土片、穴の空いた貝殻などが出土。
ここから人間の身体的な能力は現代人と変わりない。違いは象徴による知識の蓄積だけ。
→ ヨーロッパで3~4万年前の彫像、壁画、楽器などが発掘。
→ 言語の使用、農業・牧畜の開始、都市文明の誕生…
仕事とは無関係な、興味の針の振れに任せての読書は楽しい。
これが無かったら、「趣味」を仕事になんてできないし、
仕事がなければ、こわくてこんなことはやってられない。
Amazonで本をごっそり買って読んでいる。
ほとんどは建築と直接、関係のないもので、
たとえば1年ほど前に出た新書
三井誠『人類進化の700万年 ― 書き換えられる「ヒトの起源」』
(講談社現代新書、2005)は、刺激的だった。
文章が分かりやすいのが、美点の第一。
そして、現時点でわからないことを「わからない」とはっきり書いているのが、美点の第二。
だから、読み手は、自分たちが人類の来歴が書き変わりつつある現場にいるのだ
という実感を労なくして得ることができる。
著者は京都大学理学部を卒業した後、読売新聞に入社し、科学関係の記事を担当している。
「サイエンス・ライター」の必要性を教えてくれる本だ。
人類の進化は、4つの数字がキーになっているらしい。
以下に忘備録代わりのまとめを。
《700万年前》人類がアフリカで誕生(ここからホモ・サピエンスに続く流れがチンパンジーから枝分かれ)
「直立二足歩行」と「犬歯の縮小」という特徴を獲得。ただし、その理由については諸説あり、分かっていない。
《250万年前》脳の大型化の流れが始まる(ここからがホモ族)
「道具の使用」=石を砕いて石器をつくり、石器を使って動物の骨から肉をはぎとって食べるようになる。
→ やがて(180万年前に)アフリカを出て、比較的短期間(20万年)でアジアにまで進出
→ 食物が高エネルギー化したことで、脳の大型化がさらに進む
→ 火の使用(80万年前?)、狩猟の開始(40万年以上前)
《20万年前》現生人類がアフリカで誕生(ここからがホモ・サピエンス)
知力に優れたホモ・サピエンスが生まれ、再びアフリカを出て地球中に拡散。
その他の種(ネアンデルタール人、ジャワ原人、北京原人など)は、現代に何の遺伝子も残さず絶滅。
《7万5000年前》象徴を扱い始める
この頃の刻み目が入った土片、穴の空いた貝殻などが出土。
ここから人間の身体的な能力は現代人と変わりない。違いは象徴による知識の蓄積だけ。
→ ヨーロッパで3~4万年前の彫像、壁画、楽器などが発掘。
→ 言語の使用、農業・牧畜の開始、都市文明の誕生…
仕事とは無関係な、興味の針の振れに任せての読書は楽しい。
これが無かったら、「趣味」を仕事になんてできないし、
仕事がなければ、こわくてこんなことはやってられない。
otsuki
お久しぶりです。 企業研修を経て、更に近頃の傾向を助長されて帰ってきた学生です。
蔵方さんの文章を読んで、その研修中に所員さんに薦められた一冊の本の言葉を思い出しました。
「建築家は文章の学を解し、絵画に熟達し、
幾何学に精通し、多くの歴史を知り、努めて哲学者に聞き、
音楽を理解し、医術に無知でなく、法律家の所論を知り、
星学あるいは天文理論の知識を持ちたいものである。」
まだまだ若造であることを実感する夏休み。
建築を語るには、まだまだ程遠いようです。
蔵方さんの文章を読んで、その研修中に所員さんに薦められた一冊の本の言葉を思い出しました。
「建築家は文章の学を解し、絵画に熟達し、
幾何学に精通し、多くの歴史を知り、努めて哲学者に聞き、
音楽を理解し、医術に無知でなく、法律家の所論を知り、
星学あるいは天文理論の知識を持ちたいものである。」
まだまだ若造であることを実感する夏休み。
建築を語るには、まだまだ程遠いようです。
2006/08/22 Tue 22:47 URL [ Edit ]
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