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2006.08.16
「大熊喜英の建築 ― 和のまなざし」展
ギャルリー・タイセイで開かれている「大熊喜英の建築 ― 和のまなざし」展は
小さいけれど、密度の濃い展覧会。
未公開の資料を取りそろえて、知られざる(と言って構わないだろう)
建築家・大熊喜英の建築力を現在に問う。
大熊喜英は、国会議事をはじめ、多くの官庁舎の設計に関わった
明治~昭和戦前の建築界の大物・大熊喜邦(1877-1952)の息子。
前川國男や白井晟一と同年(1905年)の生まれで、
早稲田大学建築学科卒業後、大成建設に入社。
1950年代から民家をモダンに解釈した作風で、住宅作家として脚光を浴びた。
こんなパースが建築雑誌に載ったら、引き込まれてしまうのも無理もない。

U氏邸(計画) 外観着彩パース(ギャルリー・タイセイHPから転載)
高校生の時から、今和次郎の民家調査に参加していた喜英。
民家を捉える「目線」が良いのである。

香川県塩飽群島にある住宅の内部(ギャルリー・タイセイHPから転載)
民家風なのだけど、古めかしくない。
精巧を極めた和風モダンではなくて、もっとざっくりした感覚。
形のものまねではなくて、単純で発見的な、もののつかい方を、
民家(ヴァナキュラー)に学んだのだろう。
アマチュアであることのプロだった、ル・コルビュジエのように…。
理屈抜きに訴える力が現代的で、
それにしても、うっかりすると、こうした方々を抜きに、
モダニズム建築史なるものを、既定のカテゴリーの当てはめで、
超特急で語ってしまいかねないから、恐いものだと思った。
「大熊喜英の建築 ― 和のまなざし」展は、
10月6日まで開催(8月14~18日と土日祝日は休館)。
ギャルリー・タイセイなので無料であるし、ぜひ新宿センタービルへ。
小さいけれど、密度の濃い展覧会。
未公開の資料を取りそろえて、知られざる(と言って構わないだろう)
建築家・大熊喜英の建築力を現在に問う。
大熊喜英は、国会議事をはじめ、多くの官庁舎の設計に関わった
明治~昭和戦前の建築界の大物・大熊喜邦(1877-1952)の息子。
前川國男や白井晟一と同年(1905年)の生まれで、
早稲田大学建築学科卒業後、大成建設に入社。
1950年代から民家をモダンに解釈した作風で、住宅作家として脚光を浴びた。
こんなパースが建築雑誌に載ったら、引き込まれてしまうのも無理もない。

U氏邸(計画) 外観着彩パース(ギャルリー・タイセイHPから転載)
高校生の時から、今和次郎の民家調査に参加していた喜英。
民家を捉える「目線」が良いのである。

香川県塩飽群島にある住宅の内部(ギャルリー・タイセイHPから転載)
民家風なのだけど、古めかしくない。
精巧を極めた和風モダンではなくて、もっとざっくりした感覚。
形のものまねではなくて、単純で発見的な、もののつかい方を、
民家(ヴァナキュラー)に学んだのだろう。
アマチュアであることのプロだった、ル・コルビュジエのように…。
理屈抜きに訴える力が現代的で、
それにしても、うっかりすると、こうした方々を抜きに、
モダニズム建築史なるものを、既定のカテゴリーの当てはめで、
超特急で語ってしまいかねないから、恐いものだと思った。
「大熊喜英の建築 ― 和のまなざし」展は、
10月6日まで開催(8月14~18日と土日祝日は休館)。
ギャルリー・タイセイなので無料であるし、ぜひ新宿センタービルへ。
僕が学校を卒業したのが1962年、正に怒涛のようなモダニズムの中で建築に関わるようになりました。貴兄のいうモダニズム史を既定のカテゴリー中で超特急で語ることの危惧はなかなか微妙な指摘ですね。9月9日、学会PDでの貴兄の若き世代からという視点での論考を、そういう観点からも興味深く期待しています。黒川さんがどのような視点で話をされるか、其れも楽しみです。
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