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2006.03.30
bloccoに入ることに
長田直之さんが設計した集合住宅bloccoに入居を決めた。
「昨日はオープンハウス、ありがとうございました。
ところで、個人的に借りたいと考えているんですけど…」
見学会の明くる日、タカギプランニングオフィスに
電話をかけている自分がいた。予想外だった。
前提として、(1)部屋が分かれていて、(2)壁が多い
という条件を満たしていたことがあるだろう。
でないと、暮らせない。
本を使って仕事をする身なので、ワンルームだと気分転換が難しいし、
少ない壁だと本棚が置けなくなってしまう。
これは「デザイン物件」の一般的な特徴と反対かもしれない。
今までは、長谷工工務店(現・長谷工コーポレーション)のマンションに住んでいた。
玄関から伸びる廊下の両脇に浴室、「アルミ格子」のかかった小部屋。
LDKをはさんで、バルコニーに面した6畳が2室。
1970年代からありふれている、典型的な「田の字プラン」である。
使い勝手に困ることは無かったのは、確かだ。
bloccoの「十字プラン」は、同じくらいの使い勝手を与えてくれそうだ。
加えて、以前には無かったものが、いろいろある。
最大の魅力として、「眺め」が挙げられる。
これまでも高層階だったので、眺望は悪くなかった。
でも、いってみれば均質な眺め。周囲とは本質的には関係ない。
それに対して、bloccoは不均質な眺めを意識している。
窓はほぼ3種類の大きさに分けられる。
大きな窓=メインの部屋(中央)の端にあって、床から天井まで開いている
中くらいの窓=75cm、110cm四方、細長い窓など
小さな窓=台所の手元を照らすような30cmの窓
それらが部屋ごとに違った位置に配置されていて、
遠くのマンションの一角や、隣の家の盆栽や、
向かいの中華屋の看板が切り取られては、部屋の一部になる。
ここには、景観の「土地性」がある。
これまでのマンションの場合だと、部屋の選択は割とたやすい。
DK表記と方位と階数があれば、だいたい分かる。
眺めにも、それくらいの違いしかない。
でも、bloccoは部屋ごとの個性が強い。平面図で見る以上に。
だから、部屋の選択が、暮らしを大きく左右する。

結局、住むことにしたのは、初めに一目ぼれした部屋。
床から天井までの窓のブラインドカーテンを開けると、
すぐ脇から数十メートル先まで、ばらばらな方向を向いた瓦屋根が続く。
ちょうど足元の高さにあるので、甍の波に乗っているみたいだ。
この土地、この建物でないと、こうはならない。それを手に入れたいと願った。
暮らすというのは、地球上の三次元座標の任意の位置に場所を定めるということで、
建築は人工的に土地を設定することによって、その可能性を拡張する営みなのだ、
という当たり前の事実を改めて気づかせる。
全部の中でも、ここが最高の部屋だろう。
他の住人と同じように、そう思っている。
「昨日はオープンハウス、ありがとうございました。
ところで、個人的に借りたいと考えているんですけど…」
見学会の明くる日、タカギプランニングオフィスに
電話をかけている自分がいた。予想外だった。
前提として、(1)部屋が分かれていて、(2)壁が多い
という条件を満たしていたことがあるだろう。
でないと、暮らせない。
本を使って仕事をする身なので、ワンルームだと気分転換が難しいし、
少ない壁だと本棚が置けなくなってしまう。
これは「デザイン物件」の一般的な特徴と反対かもしれない。
今までは、長谷工工務店(現・長谷工コーポレーション)のマンションに住んでいた。
玄関から伸びる廊下の両脇に浴室、「アルミ格子」のかかった小部屋。
LDKをはさんで、バルコニーに面した6畳が2室。
1970年代からありふれている、典型的な「田の字プラン」である。
使い勝手に困ることは無かったのは、確かだ。
bloccoの「十字プラン」は、同じくらいの使い勝手を与えてくれそうだ。
加えて、以前には無かったものが、いろいろある。
最大の魅力として、「眺め」が挙げられる。
これまでも高層階だったので、眺望は悪くなかった。
でも、いってみれば均質な眺め。周囲とは本質的には関係ない。
それに対して、bloccoは不均質な眺めを意識している。
窓はほぼ3種類の大きさに分けられる。
大きな窓=メインの部屋(中央)の端にあって、床から天井まで開いている
中くらいの窓=75cm、110cm四方、細長い窓など
小さな窓=台所の手元を照らすような30cmの窓
それらが部屋ごとに違った位置に配置されていて、
遠くのマンションの一角や、隣の家の盆栽や、
向かいの中華屋の看板が切り取られては、部屋の一部になる。
ここには、景観の「土地性」がある。
これまでのマンションの場合だと、部屋の選択は割とたやすい。
DK表記と方位と階数があれば、だいたい分かる。
眺めにも、それくらいの違いしかない。
でも、bloccoは部屋ごとの個性が強い。平面図で見る以上に。
だから、部屋の選択が、暮らしを大きく左右する。

結局、住むことにしたのは、初めに一目ぼれした部屋。
床から天井までの窓のブラインドカーテンを開けると、
すぐ脇から数十メートル先まで、ばらばらな方向を向いた瓦屋根が続く。
ちょうど足元の高さにあるので、甍の波に乗っているみたいだ。
この土地、この建物でないと、こうはならない。それを手に入れたいと願った。
暮らすというのは、地球上の三次元座標の任意の位置に場所を定めるということで、
建築は人工的に土地を設定することによって、その可能性を拡張する営みなのだ、
という当たり前の事実を改めて気づかせる。
全部の中でも、ここが最高の部屋だろう。
他の住人と同じように、そう思っている。
住んでみていかがですか?良い仕事良い生活が出来そうですね。でもなんとなく本に埋もれた生活みたいですね。本当に本には困るのです。好きなだけに・・・でも倉方さんは其れが仕事ですもんね。
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