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隈研吾さんの新刊『建築家、走る』(新潮社)を読んだ。
相変わらず巧い。すらすら読めて、頭脳も刺激して、情報も与える。
本自体がいわば、安藤忠雄(処世本のように新潮社からも出せるベタ)と、磯崎新(「建築家」世界を内にいながら高みに立って観察するメタ)を併せた成り立ちであって、隈さんがこれまでに無い位置に達したことを伝える。
新しい歌舞伎座やアオーレ長岡にも触れているが、そうした個別の建築解説を超えて、隈さんが、企業にしても都市にしても就活にしても、世間が求めるものとして個性を継続できるかが勝負の、再帰的近代の時代に合った建築家として今の位置にいるのだなあということに、改めて感心。
アトリエ建築家は個人名であるけど、事務所である。今までの日本で最も、その成り立ちを巧みに使い得た設計者ではなかろうか。隈研吾は100人以上のスタッフを最終的に束ね、個人名を冠される方向性を与える存在であって、事務所として変化に富んだ良い作品が送り出せていれば良いのだ(変化に富んだ良い作品が送り出せていないパターンは今までもあった)。
その点では、昨日プリツカー賞を受賞された伊東豊雄さんなどは拙くて、個人と法人の関係が曖昧で、まだ個人が個人であった世代だとは思うのだけど、それもまた胸を打つ。

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