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2010.05.10 若松 島時間
若松05

北九州の若松がいいのは、古い場所が自然に使われているところだ。
とはいえ、昔に比べれば数は減っているわけで、辛うじて残った建物や町並みの中に、自生するようにして、カフェや雑貨屋が開かれている。

要するに、計画的に整えられた感じがしないのだが、ここで述べておきたいのは、この「計画された感じ」がくせ者ということだ。この香りがすると、例えばレトロ街区の「保存」にしても再開発と同じ印象を与えてしまう。だが、若松はそうではない。自分が発見したと思わせてくれる。

しかも、ここは時間が少し「島」である。北九州市の中でも半島として突き出た位置にあって、小倉や戸畑や八幡といったエリアとは近いのに、遠い。洞海湾を隔て、他のまちを引いた視点で見られる。人々もさらにゆったりとして、まるで能古島から福岡を眺めているような気分。
これは東京の人なんて、たまらないだろう。

総論を書いたので、あとは具体的にご案内。

若松01

若松には船がおすすめだ。JR戸畑駅北口から戸畑渡場まで徒歩で3,4分。日中は15分間隔で船が出ている。わずか3分間の船旅だが、新鮮な気分になる。

若松02

若戸大橋の下にうもれるように建つのは「杤木ビル」(1920)。福岡県を中心に活躍した建築家の松田昌平(松田平田設計を創業した松田軍平の兄)が設計を手がけた。門司にある「旧門司三井倶楽部」(1921)と同時期にあたる。デザインは小品ながら見どころが多く、キレイになりすぎていない材の佇まいがいい。

若松04

このビルの1階に、昨年9月からヘアサロン「MAST HAIR」が入っている。高い天井、ゆったりしたスペース。広い窓の向こうに、陽光を浴びた洞海湾が広がる。
店長の女性にお話を伺うと、もともと若松で美容室を開いていたが、どうしてもこのビルが気に入り、所有者にかけあって入居したとのこと。

若松03

落ち着いた内装は可愛くて、格好良くて、男性でもうっとりしてしまう。
明るい静寂に、スタッフが入れたコーヒーの香りが漂い、場所が持つ時の厚さをいっそう思わせるのだ。
(つづく)

[関連]
MAST HAIR
http://masthair.jugem.jp/

北九州市若松区(本町地区)編 - 近代化産業遺産総合リスト - 産業考古学研究室
http://bunhaku.hp.infoseek.co.jp/heritage-wakamatsu.html
※九州の近代建築・近代化遺産と言えばまず参照すべき、庵田綏宇さん(と一応ここのペンネームで書いておきます笑)のサイト。若松地区についても、今では失われた建物も含めリストアップされています。

生き続ける建築10:松田軍平 - INAX REPORT No.176
http://inaxreport.info/no176/feature1.html

小倉航路 - 渡船事業所 - 産業経済局 - 組織 - 北九州市ホームページ
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=7461
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