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鈴木晋作さん01

日本大学短期大学部の「ものつくりワークショップ」が大学セミナーハウスで行われ、3日の夜は八王子で吉阪隆正さんについて話した。

僕の前に鈴木晋作さんがレクチャーを行った。映し出された写真に圧倒された。
鈴木さんは1979年生まれの早稲田大学芸術学校のOBで、なかなか行かないような場所に飛び込んでいる。
2004年には東チベットに小学校をつくるプロジェクトの現場監督を務め、翌年からはラオスの子どもの図書館を地元の人々と共に建設している。
映し出されるのは、富士山の頂上と同じような森林限界を超える標高に高原が広がっている光景であり、どの素材が貴重であるかという比重の違いが発生させる見たこともない木材や石材の組み合わせだった。
まちと建物の構成には社会の仕組みや人的関係が反映され、それらを見守りながら、静かに小石を投げ入れるようにプロジェクトの建築がつくられている。

鈴木晋作さん02

国際プロジェクトの中で、場をつくる建築家は必要なんだと実感した。
いま「建築家」と書いたが、この言葉だと語弊があるかもしれず、言いたいのは、彼/彼女がすべてを行うわけではないけれど、いることによって着実に新しいことが起こり出す建設行為のキーマンが必要だと言うことで、それは建物もまちづくりも同じだろう。
そして、そもそも建築家は、その現場が本来持っている人的・地理的・歴史的継承性と無縁なはずなのに、現場に飛び込んで何かをしてしまう存在だから、そうした国際プロジェクトであっても、フツーの国内現場でも、やっていることは意外に地続きだったりする。
日常と非日常は案外、相対的で、交換可能だと思える。

呼んでくれた田所辰之助さん、薩田英男さん、「ぐるぐるつくる大学セミナーハウス」でもお世話になっている長谷川康孝さん、鈴木晋作さんなどと、久しぶりに腰を落ち着けて話した。

日大短大ワークショップ

日本大学短期大学部の選りすぐりの12名の学生が中心になってのワークショップは、竹と版築による場所づくり。翌朝はまだ作業が始まったばかりだったが、きっと今頃は完成していることだろう。
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