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いろいろあったのだが、blogはごぶさたしてしまった。
いろんなことを、少しづつ。

先々週末、良く晴れた風の強い日、
北区王子の集合住宅、bloccoを見に行った。
設計者の長田直之さん(ICU一級建築士事務所代表)は、
大阪を拠点に活動を続け、敷地形状を活かした住宅に定評のある若手建築家。
bloccoは東京デビューの作品だ。
タカギプランニングオフィス主催の「TPO ReCoMendation 2004」で設計者に選ばれ、この1年間、駒込のケヤキハウスの一室を借りて、設計監理にあたっていた。
bloccoを見に行ったのも、ケヤキハウスのオーナーからの誘いを受けてのこと。
「一人で現場をちゃんと見て。礼儀正しいし、若いのに感心しちゃうわ」。
やけに買われているなあ。
3つ年上の長田さんとは『建築MAP京都』の執筆の時、初めてお目にかかった。
まだ、安藤忠雄建築研究所から独立されて間もない頃の話だ。

車で近づくと、bloccoはすぐに分かる。
古い商店がぽつぽつと並ぶ木造住宅地。
角地にある打ち放しコンクリート仕上げの集合住宅がそれだ。
5階建てに全29戸が収まる。

blocco01

説明としては「十字プラン」から始めるのが適当だろう。
雑誌「カーサ ブルータス」の2月号が
「2006年の大発明をひと足先に紹介します!」と書くところの「十字プラン」。
中央に縦長(短いほうが2.3m位)の6~11畳程度のメインの部屋、
両脇に6畳程度のサブの部屋が取りつき、
そのうち入口のあるほうは土間仕上げで、一角に浴室があるというもの。
1階と2階の一部の部屋は、これと違って、道路から独立した入口があったりする。

まず単純に感心するのは、「十字プラン」(や1・2階のイレギュラーな配置)のおかげで、隣の部屋との間に隙間ができ、プライバシーを確保した上で、光や風が通り抜けること。
外部廊下を歩いた時のシーンの面白さにも貢献している。

一つ一つの住戸を訪ね歩いていくと、すべての部屋のプランが微妙に違う。
専用庭を介して部屋に入るもの。
同じ「十字プラン」でも、土間が広いもの、狭いもの、L字形に曲がっているもの。
少しの違いが、使い方を左右する。生活のイメージが喚起される。
窓の配置がまちまちなのも面白い。
各部屋の窓は、大きく3つのタイプがある。
メインの部屋の端に用意される(中央の部屋は除く)床から天井までのガラス窓。
1m角の窓。それに、キッチンの手元を照らしたりする細長い開口部だ。
遠くのマンションを眺めたり、路地を挟んだお隣の盆栽を観賞したり、
中華料理屋の真っ赤なビニール屋根を覗いたり。
「昭和81年」( (C)横山剣)って感じの、人間くさい風景を切り取って、
ここならではの魅力にしている。

blocco02

全体を見てまわると、「捨て部屋」が無いことに気づく。
北向きの部屋もいいし、南向きの部屋もいい。
上の階にも下の階にも、そこにしかない個性がある。
メゾネット形式で無いのに、立体的な思考を感じさせる。
建築表現の面でも、「売れる」建物という意味でも、巧い。
建て込んだ敷地やリノベーションの仕事で鍛えた設計者の実力、
それに、今回の設計にかける意気込みを感じる。

久しぶりにお会いした長田さんは、
僕のイメージの中にあったよりも、堂々として、骨太に見えた。
「関西でオープンハウスというと数十人だけど、
 今回、それほど告知していないのに、百数十人が訪れて、こりゃ大変だなと」。
こちらでの仕事を何件か抱えていて、bloccoの一室を東京事務所にするという。
関西と東京のテンポの違いなどを、にこやかに話す。
確かに、東京はちとクレージーかもしれない。
でも、長田さんなら、呑み込まれることなく、さらに波に乗っていくことだろう。
人も、作品も、若くして、これだけ老練なのだから。
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