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インターネットは便利なものだ。
生まれ年の「新建築」がヤフーオークションに出ていた。
思わず落札してしまった1971年の12冊。

1月号からぱらぱら開いてみる。
古くなった雑誌は、細部に味が出る。
本文の論考より、ちょっとしたコラム記事に、
コラム記事よりも、欄外の広告に、
時代の象徴を感じたり、時代に対する先入観をぬぐい去られたりする。
明治や大正の研究をしている時に、そんな経験が多くあった。
今回はどうだろうか?

「1億人を超えたわが国の総人口」という記事から時代が分かる。
「総人口は1億370万3,552人で、沖縄を含めると1億464万9,017人になる」
沖縄を含めると?・・・返還前なのである。
「人口動態で明らかになったことは、いっそう大都市におけるドーナツ現象が進み、核家族化がすすんだことである。東京23区内では、人口は戦後の国勢調査を通じこんどはじめて減少し、逆に東京のベッドタウンや武蔵村山市では急激な増加を見せ、東京に隣接する神奈川県、千葉県、埼玉県においてもその人口増は大きい」
今と逆だ。「核家族」という言葉が懐かしい。当然なので言わなくなったのか。
上にある記事は「日本建築家協会第1回大会開催される」。
前川國男さんが公害問題について語っている、そんな時代だ。
マンガ「サザエさん」(1946~1974)の最後のほう(単行本60巻台)が、
陰うつとしたムードに包まれていたことを思い出す。

眼を引かれたのは、1枚の広告。素朴な文章に、奇妙な写真。
ボーマン美術装飾

プロスパサウナ ― すごいな、このねじり柱。女王陛下もお使いなんだ・・・。
しかし、よく見ると「英帝室」御愛用だから、
「英王室」とは別の、どこかに存在する帝国かもしれない。
ボールピンタワー ― ボーリングブームのまっただ中である。
時代の波を乗り越え、会社のボーマン美術装飾は、今も健在。
カラオケ館や、結婚式場など多方面で活躍している。
装飾の需要は尽きない。明治時代だったら、左官が担当していたような。
分からないのは「ベニンの君主・オバと従者」。 インパクト充分だが、
何なのか、どこに使うのか、どんな時代背景が読みとれるのか。
ご存知の方いますか?
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