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座高円寺03

月が変わり、00年代も残すところ半年。
先月6月は「作品批評」を2本、初めて書いたのだった。『新建築住宅特集』の「近作訪問」を2009年4月号まで2年間やらせていただいたり、建築作品を組み込んだ批評は書いたことがあるが、単体の建築に対する批評めいた文章は初体験だった。

座高円寺02

たまたま、両方とも高円寺にある建物だ。
一つは伊東豊雄さんの「座・高円寺」を扱った「都市計画としての劇場」という文章で、10+1 web siteに掲載されている。

倉方俊輔「都市計画としての劇場」 - 特集:都市計画とアートプロジェクト - 10+1 web site
http://tenplusone.inax.co.jp/200905/issue1.php

最初、メディアデザインの荻原さんから「都市計画とアートプロジェクト」という枠組みの中で、という話をいただたときには正直、少し戸惑ったが―なぜなら「都市」と「演劇」は自分から遠いほうのジャンルだから―、訪れてみると、自分が伊東豊雄さんの近作について、かねてから思っていたこととつながった。

BUILDING K02

もう一つは藤村龍至さんの「BUILDING K」を論じた「ネオ・ポストモダニズムの建築言語」で、『建築雑誌』6月号の 特集「検証『批判的工学主義』」の最後に載っている。
特集のサブタイトルに「BUILDING Kから考える」とある通り、これは藤村さんの編集による藤村さんの建物の特集である。見方によっては、自己演出ここに極まれりで、実際そういう批判も耳にした。
どうせ自己演出になるなら極めよと(いう意味だったかは分からないが)、当初の「設計主義」という特集案を「だったら藤村さんのBUILDING Kを対象にしては」と言ったのは編集委員会顧問の細野透さん、同意したのが編集長の五十嵐太郎さんで、はやし立てたのが僕だったのだろう。最後に骨を拾うことになった。

BUILDING K03

書いた当人は根底的な批判のつもりだが、最後に編集委員が出てきてマッチポンプの擁護をしたように読めるかもしれない。それは分からないが、文中で「この階段のデザインはないんじゃないか」と書いた階段の写真が、刷り上がってみると編集者権限のせいか、割とアリのほうの階段の写真になっていたので(笑)、以下に掲載する。

BUILDING K01

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