| Home |
2009.05.20
大田省一さんの「デザインサーヴェイ」論

昨日は東海大学准教授の渡邉研司さんが開いているレクチャーシリーズ「MARS会」へ。
ここ数年来、気になっているテーマの一つが、「デザインサーヴェイ」なのである。
昨年の10月にはJIA+KITアーカイブズの一環として、「よみがえるデザイン・サーヴェイ」展をJIA大会で開催した。調査地を再訪したり、関係者に話を聞いたり、兼松紘一郎さんや渡邊さん、渡邊研の院生と一緒にサーヴェイの調査を行った(以前の関連記事)。
今年は大林都市研究振興財団の助成が取れたので、さらに展開して「デザインサーヴェイ」の再考をまとめられないかと渡邊さんと考えている。
それで「MARS会」の年間テーマも「デザインサーヴェイ」。前回は僕が伊東忠太のサーヴェイについて話したのだった(以前の関連記事)。

昨日の第2回では、東京大学生産技術研究所助教の大田省一さんにお話いただいた。
ベトナムなどをフィールドとする大田さんは、強い足と目と頭を持つ研究者として尊敬している。「建築雑誌」編集委員会幹事の名簿にも一緒に名前があったので、何かほっとしたのだったが、近しい仲でも、意外と真面目な講義というのは聞かなかったりもする。
大田さんの話は面白かった。今「デザインサーヴェイ」を再考することに大きな意味がある。そんな思いが正当だと感じさせてくれた。
実感に基づいた細やかな解釈は触発的だし、他方でアメリカやフランスの、ある種の覇権との関係で捉える広い視点は、専門研究者たる大田さんからでないと出てこない。
大田さんは今「建築雑誌」で「デザインサーヴェイ」の特集を編集されている。そっちも楽しみ。

しかし、参ったのは、帰路に小田急線がストップしたこと。
渡邊さんや大田さんはそれ以前に乗り換えたので助かったが、彰国社の神中さんと僕が、下北沢の人身事故に引っかかる。新宿に着いたのは、日付も変わった1時半だった。
| Home |