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2009.05.08
神経質とユーモア、東工大流・・・「日本浮世絵博物館」

連休中は信州松本と立山黒部に行った。松本では見逃していた篠原一男さんの「日本浮世絵博物館」(1982)へ。ビッグな建築家名と館名で誤解しがちだが、親しみやすい私立美術館である。展示にも手作り感があふれている。

ちょうど館長さんがいらしたので、なぜ篠原さんに頼んだのかなど尋ねる。別に取材では無いのだが…。1980年代以降の篠原さんは「東京工業大学百年記念館」(1987)や「熊本北警察署」(1990)など、それまでの住宅から、より大きな建物にも対象を拡げるが、一番早いのが「日本浮世絵博物館」だということが気になっていた。

答えは、予算が無かったから、というもの。他に推薦があったとか色々あるのだけど、実際に訪れると、この答えに納得だ。確かに、基本的には鉄筋コンクリートの倉庫のような成り立ちである。
「上原通りの住宅」(1976)の構造柱や「高圧線下の住宅」(1981)の高圧線のように、ありのままにあるもの(民家もそう)が神経質な幾何学とぶつけられることで、別のものに見えてくる。そこに篠原さん独特のユーモアも現れる。
展示室の入口の高さまで、コンパネの長方形にぴったり合っていて、藤村龍至さんの「BUILDING K」の外装を思い出した(出かけ前に、その原稿を書いていたので)。うむ、東工大。
*「建築浴MAP」(googleマップ)で所在地を見る
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