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2009.03.20
緊急シンポジウム「東京・大阪中央郵便局の文化財的価値」の最終プログラム


3月22日(日)と26日(木)に東西で「東京・大阪中央郵便局」を考えるシンポジウムが行われる。両プログラムの最新版は以下の通り。
22日に上映される富山テレビ「平凡なるもの 建築家吉田鉄郎物語」も、以前の記事で書いたように、建築という存在の面白さが伝わるいい番組だ。
緊急シンポジウム
「東京・大阪中央郵便局の文化財的価値」
現在、再開発計画が進められている東京・大阪中央郵便局について、その建築的価値がどこにあるのか、学術的観点から総合的に議論を行う。当該建物は昭和6年、昭和14年に逓信省営繕課の吉田鉄郎により設計され、文化庁からは重要文化財に値する価値があると評価されている。しかし、駅前という好立地のため、郵政事業民営化により、開発計画が進められている。文化的価値と経済利益の挟間にあるこれらのプロジェクトは、建築物の保存、文化の継承と経済行為の中で、持ちあがる普遍的な課題である。現在の日本の法制度、経済システムの中で近代建築を保存する手法はあるのか、各方面の専門家を交えて議論する。
日時:2009年3月22日(日) 13:00~18:00
会場:建築会館ホール(港区芝5-26-20)
主催:日本建築学会 建築計画委員会
<プログラム>
(1) 開会挨拶 斎藤公男(日本建築学会会長、日本大学名誉教授)
(2) 趣旨説明 布野修司(建築計画委員会委員長/滋賀県立大学教授)
南 一誠(芝浦工業大学教授・日本建築学会総務理事)
(3) 富山テレビ「平凡なるもの 建築家吉田鉄郎物語」
休憩
(4) 主題
・「丸の内と東京中央郵便局」 前野まさる (東京藝術大学名誉教授)
・「東京中央郵便局を重要文化財にする会の活動について」
多児貞子 大橋智子 山本玲子(東京中央郵便局を重要文化財にする会)
・「東京郵便局問題について」 五十嵐敬喜 (法政大学法学部教授)
・「海外にみる都市遺産としてのRestoration(建築再生)事例」
宇野 求 (建築計画委員会幹事、建築家/東京理科大学教授)
(5) まとめ 南 一誠 (前掲)
定員:200名(当日先着順)
資料代:500円
問い合わせ:日本建築学会事務局研究事業グループ 03-3456-2057
近代建築を考える・駅前シンポジウム
「大阪中央郵便局舎をもっと良く知ろう!」
いま、大阪中央郵便局が、東京中央郵便局とともに話題になっています。先日、郵便局へ行くと、もうすぐこの建物での営業は終わりますと云われ、愕然としました。
大阪中央郵便局舎の保存問題は、すでに専門家の間では盛んな活動がありました。私たちは、大阪駅前にある中央郵便局に慣れ親しんできたために、本当のところ私たちはその価値に気がつかずに過ごしてきました。しかもそれ以前の近代建築にある様式に比べ、非常に近代的な建物であり、ほとんど古さを感じさせないため、私たちは建物の価値を見失っていたようです。いま、私たちはこの建物をもっと知らなければなりません。
今回のシンポジウムは、建築をよく知る機会とし、大阪の玄関を飾る建物としてどのように守り続ければよいのかを考えます。専門家の解説と考えを聞き、実際に建物を見学し、もっとよく郵便局舎を理解したいと思います。郵便局が民営化されたからと云って、街の景観をかえてよいと云う理由があるのでしょうか。私たちは街の景観を作っている建物は公共財産と考えます。みなさんと一緒にこの問題を考えてみませんか。
日時:2009年3月26日(木) 18:00~20:00(17:30受付開始)
会場:大阪市立大学文化交流センター 大阪駅前第2ビル6階(06-6344-5425)
主催:大阪中央郵便局を重要文化財にする会
参加方法:当日自由参加
問い合せ:post-culturalosaka09@hotmail.com
<講演と報告>
・「中央郵便局保存の意義」
橋本健治(神戸大学、立命館大学非常勤講師、JIA近畿支部保存再生部会長)
・「中央郵便局の建物について」 橋寺知子(関西大学准教授、近代建築史)
・「東京中央郵便局の現況 」 南 一誠(芝浦工業大学教授、日本建築学会総務理事)
・「会の設立と経過」 長山雅一(流通科学大学教授、日本考古学、歴史学)
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