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旧制・武蔵高等学校の講堂として1928年に完成した。設計は戦前に公会堂や市庁舎、学校建築などを多く手がけた佐藤功一。建物の相応しさに気を使う様式主義者だけあって、同じ佐藤功一の設計でも早稲田大学大隈記念講堂(1927)や津田塾大学本館(1931)などとは雰囲気が異なる。これは外観のスクラッチタイルを内部にも使って、質実剛健な印象である。
ふと見上げると、ステージの上方には、戦前の伊東忠太(1867-1954)と並び称されるほどの日本建築史学の大家であるところの東京大学名誉教授・太田博太郎先生(1912-2007)のお姿が。武蔵高等学校から東京帝国大学に進み、卒論に本格的に取りかかるまでは「サッカーばかりやっていた」と述懐された太田先生は、武蔵学園長を1978年から12年にわたって務めたのである。その左は美智子様の父上である正田健二郎氏。
構内には、1923年に竣工した3号館も健在。竣工当時の写真を見ると、田畑の中に鉄筋コンクリートの校舎がそびえて壮観だ。鉄道王・根津嘉一郎(1860-1940)のつくった学校だけに、インフラに力を注いでいる。

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