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長期館照明器具01

教えている専門学校ICSカレッジ・オブ・アーツの研修で八王子セミナーハウスに行ったところ、盛況だった。平日なのに宿泊施設はほぼ満員。会議室なども埋まっていた。
夏休みということもあるが、セミナーハウスの利用状況が改善しているという噂が真実みを帯びてくる。客単価が上げられる「さくら館」は、その意味で貢献しているだろう。
既存の建物のメンテナンスも、ここ1・2年で活発化してきた。象設計集団の創設メンバーの一人となる富田玲子さんがU研究室で設計を担当して1970年に竣工した《長期館》など、外壁を塗り替えて、ぐっと良くなった。
しかし、良いことばかりでもないのだ。
長期館照明器具02

長期館の中に入ったら、何か違う。一瞬後に、特徴的な照明器具が取り払われて、変哲のない蛍光灯になっていることに気づく。2種類の器具を使い分けた、簡素でチャーミングな仕掛けだったのに…。
ここに来ると、いつも不意打ちで驚かされる ― 以前に来た時は本館の階段が哀れな姿に改造されていた。
その建物の固有性を形成しているディテールを本質を改めずに新しくすることは、ちょっと配慮すればできる。エコノミーやエコロジーやバリアフリーに対する考慮と、デザインの愛着が矛盾しないことは、言うまでもない。そういえば、セミナーハウスの入口には、今度開かれる「文化的多様性と現代社会」というシンポジウムのポスターが貼ってあった。

良かれと思ってやっているのは確かだ。しかし、デザインの良さは誰でも本質的には分かるはずという楽観的な信念を、度重なる今度のような出来事だけで撤回することが、世界を良くしていくのかと考えると…。

怒っても仕方がない。諦めたら仕様がない。そんな暫定的な結論に達する他はない。
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