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ソルフェージスクール02 ©門間金昭

東京・目白の吉村順三記念ギャラリーで、「ソルフェージ・スクール」展が開催されている。おすすめである。
2006年末から同所で開かれている「小さな建築展」の第10回だが、今回は少し特別。ギャラリーに細やかな青焼き図面が展示されている。それらに目をこらした後、今度は実物、1965年に建てられたソルフェージ・スクールを見学することができるからだ(見学はギャラリー来訪者のみ可能、7月26日・8月2日・8月9日の各土曜日13時~17時半のみ。展示は8月10日まで、毎土曜・日曜日の13時~18時開館)。
「ソルフェージ」とは何か? ソルフェージ・スクールの創立者・理事長の大村多喜子さんは、次のように書いている。

「ソルフェージとは、楽譜を読んでそれを音楽として心の中に聴き取ることができ、また音楽を聴いてそれを楽譜として思いうかべることのできる能力を養うことです。わたしたちはこれが音楽の基本としてもっとも大切なことと考えています。」(ソルフェージ・スクールのホームページより)

ソルフェージ・スクールはギャラリーから4、5分歩いた、閑静な住宅地の中にある。ぱっと見は、変哲のなさそうな鉄筋コンクリートの建物。柱・梁型も露わな外壁は打ち放しのペンキ塗り仕上げ、矩形の平面に波型スレートの屋根がかかる。
「吉村順三はローコストなものほど、燃えますからね」
改修に関わった元所員の平尾寛さんが、建物についてギャラリーで丁寧に解説してくれた。その言葉が脳裏をよぎる。

2階から潜り込むような階段で3階に上がると、思いかけないほどの空間が待ち構えていた。広いホールでは、女の子がピアノに合わせて小さな全身を動かしている。その光景を、傾斜した天井面が包み込んでいる。
人工照明の光の帯が、天井を軽々と分割している。蛍光灯の光が、天からの自然光のように感じられる。
人工の空調設備は窓際の横長窓の下に収まっていて、室内の伸びやかさは邪魔されない。上向きの吹き出し口からの空気は、天井に沿って室内を対流するのだろう。
小さくても八ヶ岳高原音楽堂(1988)の屋根やNCRビル(1962)の空調などを連想させる空間だ。
蛍光灯やラワン合板、何ということのない素材が組み合わさって、人の行動を支持する場所が生み出される。《デザイン》とは自然と人工の間に一線を引かせない、そんな力に思えてくる。

待合ホールや階段なども、遊び場になりそうな形で、うれしくなる。
あんな無骨な顔をして、子ども目線の吉村順三。さらにカワイイものが見つかる。

ソルフェージスクール01

吉村順三がソルフェージ・スクールのために描いたイラストだ。今も学校のパンフレットに使われていた。
ソルフェージ・スクールの創立者・理事長の大村多喜子さんは、ジュリアード音楽院で学んだヴァイオリニスト。そして、吉村順三の夫人である。
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