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民家ハイブリッド01

秋田旅行の最中、とある集落で見つけた民家。
茅葺き屋根の家屋と、戦後の住宅のハイブリッドである。言い換えれば、前半分は〈歴史的な住居形式〉としての「民家」で、後半分は〈一般の人々が住む家〉としての「民家」。今和次郎が『日本の民家』を著した時には一つだった二つの意味を、一本の線の左右にあらわしたコンセプチュアルな一品。堀口捨己もびっくりの建築に出くわした。
民家ハイブリッド02

感じたのは「民家」形式の図太さだ。このあたりの茅葺き民家は、おおらかな屋根と素朴な材料の中で、細やかな格子が目を引く。一方で、戦後の住宅は、外周にベランダを持ち、アーチや柱頭の形が工夫されたものも多い。明治初期の擬洋風建築のような愛らしさである。

格子とベランダとでは、一見するとだいぶ異なる。しかし、両者とも一番の存在理由は雪だろう。地域の条件である降雪に備え、屋内の快適性をいかに守るかという点で共通している。木材を使った臨機応変な「覆い」のデザインだ。どの家も同じようでいて、一軒一軒違う。

ほかにも、例えば正面に向けた大きな屋根の妻面、道路からの建ち方など、表面上の材料や意匠は異なっていても、いわゆる伝統的な「民家」からの継承性は根強かったりする ― プレファブ化などによる〈一気呵成〉な〈上からの〉プランニングではなく、現地の設計施工者による〈漸次的〉な〈地べたからの〉プランニングという建築生産様式の要因が大きいに違いない。

あまり語られることはないが、建物の地域性だと意識されないような地域性 ― 本来「地域性」とはそういうものだろう ― は、今でも十分に存在している。国内旅行は楽しい。毎回それを発見できるからだ。今和次郎のようなスケッチはできない。それでも自分なりに、「日本の民家」を見出すことはできるのだ。
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