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セトレレジデンス ©市川かおり

船場センタービルの原稿を書いた「日経アーキテクチュア」の同じ号(2008年4月14日号)に芦澤竜一さんが設計したクールな邸宅ウェディング施設「SETRE Residence」(神戸市垂水区)が6ページにわたって紹介されていた。
設計者の芦澤君は大学の同期で、僕とは「あ」と「く」の関係なのだが ― 学校の製図板を50音順で使うので、頭文字が近い人と親しくなる傾向にあるのだ ― 、か行の前半の人を介して話をしていたために印象が深かった。
卒業後、安藤忠雄さんの事務所に入り、2001年に独立して芦澤竜一建築設計事務所を設立。その後に手がけた作品を雑誌で見て「おっ、やってるな」と思っていたのだが、彼が本拠地を大阪に置いたこともあって、会う機会を失していた。
14年ぶりの再会は、船場センタービルの取材で大阪を訪れた今年2月。ポートフォリオで独立後の仕事を順を追って見せてもらった。最初はインテリアやリノベーションといった小規模な仕事から始めながら、そこで得た素材の生かし方や空間のアイデアを、きちんとその後の建築にフィードバックしている。部屋の機能ごとに意識的に素材を変えた「SETRE Residence」は、周囲の環境や人間の機能の変化に反応しながら、それを引き立たせ、存在として長持ちする建築を目指しているように思えて、感心した。それが僕の取材したものと同じ号に掲載されることになったので、余計に嬉しかった。
「日経アーキテクチュア」誌の記事は、ライターの佐野由佳さんが書いている。たまたま彼女から電話があったのでホテル全体の感想を尋ねると、「ロケーションを生かしたチャペルがとても素敵。レストランも美味しかった」とのこと。今度は実際に訪れてみたいと思う。

GROUNDING PROJECT 01

さて、一見すると一転して、こちらはホット。上は事務所に置いてあった「GROUNDING PROJECT -HOUSE01-」の模型。SD Review 2007でSD賞を受賞したプロジェクトだ。
都市の中に棲息する狭小高層住宅であり、太陽光・雨力・風力を徹底的に利用、構造は鋼管で仕上げは膜材と、独創性のメガ盛りのようなプロジェクトだが、敷地は変わりつつも実現に向けて動き出しているという。下はその部分模型。

GROUNDING PROJECT 02

これが同じ建築家から出たもので、実際に多くの連続性が感じられるところに、芦澤君の逞しい将来性を感じる。
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