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太郎吉蔵外観 太郎吉蔵、外観 撮影=酒井広司

五十嵐太郎編集委員長の「建築雑誌」編集委員会も、残すところあと数回。昨晩は編集委員会だった。五十嵐さん、杉浦久子さん、平塚桂さん、入江徹さんは、建築系ラジオ企画である台湾旅行から戻ったばかり。終了後の飲みでは、その話題で大笑いした。
伊東豊雄さんの高雄スタジアムを見たり、李祖原の建築を巡ったとのことだが、それら建築の影はすっかり薄かった。参加メンバーのほうが強力なのだ―みなの描写が巧いということもあるが。「僕ら行っていないのに参加19人、プラス1人がほとんど分かるね」と山中新太郎さん。確かに…。南泰裕さん松田達さんの日記にも記載がある、

さて、2007年秋から新堀学さんと3か月に1回程度で進めてきたリノベーションインタビュー(INAXリノベーションフォーラム)。その第5回がアップされた。

「太郎吉蔵からの問い──都市は誰のものか?」- Renevation forum
http://forum.inax.co.jp/renovation/

北海道滝川市のNPO「アートチャレンジ滝川(A.C.T.)」の活動に関して、彫刻家の五十嵐威暢さんと、建築家の五十嵐淳さんに尋ねたものだ。実業家の五十嵐太郎吉が1926年に建設した貯蔵倉庫をリノベーションし、アート塾の活動などに活用している。お話が充実していて、いろいろ考えさせられた。
五十嵐威暢さんの叔父にあたる建築家・五十嵐正さんについては、2007年に刊行された『建築家 五十嵐正―帯広に五百の建築をつくった』で初めて、土地に根ざした活動が明らかにされた。その五十嵐正さんが設計した喫茶店「街」を、北海道・滝川に移築しようという「マイ・カップ・サポート・プロジェクト」がある。五十嵐淳さんがそのお手伝いをしている。
五十嵐威暢さんの中にはさらに滝川を、廃校になった校舎を改修し、北海道美唄市出身の彫刻家・安田侃の作品を中心に整備した「アルテピアッツァ美唄」などと結んで、アートの街道にしたいという思いもある。

ネットを見ていたら、五十嵐淳さんがAudi Q5のキャンペーン「気鋭の建築家が選ぶ名建築を巡る旅」に名を連ねていた。五十嵐淳さんのセレクトは「アルテピアッツァ美唄」が最終目的地だった。もう一人は乾久美子さんで、こちらは京都を中心とした「本物の日本美を求める旅」というもの。

今日は「五十嵐さん」が5人もいて混乱するが、太郎吉・正・威暢さん以外は、特に親戚では無いらしい。
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国宝 阿修羅展

明日3月31日から東京国立博物館 平成館で開催される「国宝 阿修羅展」(6月7日まで)。盛んに宣伝しているので、気になっている方も多いことでしょう。
展覧会のみどころやねらい、会場構成のコンセプトなどを東京国立博物館特任研究員/興福寺国宝館長の金子啓明さんに伺い、まとめた記事がwebマガジン「artscape」にアップされている。

東京国立博物館 金子啓明氏に聞く:「国宝 阿修羅展」─古代彫刻から見る天平文化 - artscape
http://artscape.jp/focus/1201195_1635.html

依頼を受けた時には「無茶振りか」とも思ったが、面白そうだったので引き受けた。実際にお話を伺うと、空間や都市とのつながりは予想以上だった。現代の社会で有効な美術の役割とは何であって、それをどうマネージすべきか。現代美術にも通じる考えが、日本の仏像彫刻に的を絞った長年の専門研究から紡ぎ出されていることに興趣がわいた。

金子さんの言葉には、いちいち納得。例えば、
(1) 照明デザインや展示装置を工夫したり、(展示とは関係無いが)タレントを起用した公認ファンクラブのページをつくったり。それは民営化時代の入場者数至上主義に迎合したポピュリズムではないか。
(2) 仏像はアート作品ではなく、信仰の対象としてつくられた。それを現地から持ってきて、美しい美しいと鑑賞する。それは西洋中心主義的な見方ではないか。
といった、容易に思いつくような「批判」は折り込み済みなのである。

頭のいい人だった。そこには展覧会というプロジェクトが社会を少しでも変え、歴史を動かしていくのだという自信と責任があった。お話ししていて、とても楽しかった。
混んでなさそうな頃に見に行こう。
建築学科はつぶしがきくか?01 建築学科はつぶしがきくか?02 ©MDR

2月12日の記事で書いた建築系ラジオの国士舘大学での収録分が「建築系ラジオr4」のサイトにアップされています。

倉方──今の時代は、人間の寿命よりも会社の寿命の方が短いとよく言われますよね。……もう一生同じ会社に勤めることはありえない。職種も、もしかしたら自分の勤労年数より短い可能性は充分あり得るわけです。そんななかで個人がサヴァイヴしていくためには、「つぶしがきくか」が重要な要素になってくると思うんです。建築学科が、「建築」という枠組みがなくなったあとでも、サヴァイヴしていけるような学科であれば、みんな来ると思うんですよね……

といったことを語っています。
はとバス

日本コンクリート工学協会関東支部若手会21が主催する「東京コンクリート建築ツアー」を昨日(3月26日)実施した。3月13日の記事でも公募し、21名の方にblog経由で参加していただいた。

空は青空。東京駅近くの鍛冶橋駐車場から出発する。伝統と信頼のブランド「はとバス」。バスの中はシンプルで広い。最近のは、ガラスのシャンデリアなどは見られないのだな。

築地本願寺全景

まず「築地本願寺」(伊東忠太、1934)へ。お寺の方にご説明をいただき、パイプオルガンの音色も拝聴する。本堂内部の写真も撮って良いという。そんな開放性は、そもそも1934年に本堂をこうした形式で建てた時から、お寺に埋め込まれている。
さらにさかのぼると、いち早く現在の龍谷大学をつくり、洋風の校舎を建てた明治初期にさかのぼる。近代日本仏教史を軸にとれば、伊東忠太の存在もその中の一幕である。

築地本願寺の象

象がいた。

「片倉ビル」(旧片倉館、清水組、1926・37)、「東京大栄ビル」(旧蛇の目ミシンビル、前川國男、1965)、「京橋三丁目ビル」(村野藤吾、1978)を続けて外部から説明。
見るたびにテナントが減っていた「京橋三丁目ビル」はすでにほぼ、もぬけのから。周囲では再開発が進む。

二重橋前楠公レストランで食事。建物は隈研吾さんのようなルーバー和風だが、まさかね。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

食後で眠くなるかと思ったら、「東京カテドラル聖マリア大聖堂」(丹下健三、1964)は、さすがに目が覚める。
ステンレスで覆われた外観は、双曲放物線という数学的法則性が、そのまま地に降り立ったかのよう。内部に入ると一転コンクリートの地肌が現れて、地をうごめく人間の労働を感じさせる。こうした打ち放しの質は、1960年代でないとできない。
外部のヴァーチャルから、ヴァーチャルとリアルとが、まるでルビンの壷のように高速交代する内部へ。そんなコントラストは2007年の改修で、いっそう鮮やかになった。全盛期の丹下健三と、教会というプログラムが幸運にも出会い、ある種の建築体験の極を達成した感がある。

セミナーハウスユニット

そこから「大学セミナーハウス」(吉阪隆正+U研究室、1965-)までは、予定通りの1時間20分。
車中では以前に監修・出演した山形テレビ制作の番組『妖怪を見た男~近代建築の巨人・伊東忠太の世界』のDVDを流す(過去の関連記事)。
ユニットハウスは、だいぶ傷んでいた。次回の「ぐるぐるつくる大学セミナー・ハウス」で考えなくてはいけないだろう。
吉阪隆正さんについて詳しくは、拙著『吉阪隆正とル・コルビュジエ』をご覧ください。

多摩美術大学図書館

「多摩美術大学図書館」(伊東豊雄、2007)までは、すぐ。電車+バスだと両方をまわるのは大変だ。バスのありがたみを実感する。
《理念》と《現実》の両義という側面は「東京カテドラル聖マリア大聖堂」を引き継ぎながら、さらにそれを細分化して、合間に家具やインテリアのデザイナー、周辺環境や私たちといった他者が参加する余地を加えている。そこに現代のコンクリートの質や免震技術も味方に付けて。
背景などは『つくる図書館をつくる―伊藤豊雄と多摩美術大学の実験』に分かりやすく記されています。

スーパーハウス理容室

予定通りのコースをまわって、バスは東京駅へ。途中、以前の記事で触れたスーパーハウス、を2つ連ねた理容室を見つけた。車窓から撮影。

やや欲張りすぎて駆け足になってしまったが、メールのやり取りした無かった方々ともお話できた。時代順にまとめて見られたので、個人的には嬉しかった。
こうした機会を与えてくれた日本コンクリート工学協会関東支部若手会21の方々、ご参加の皆様、ありがとうございました。
数理解析研究所

日帰りで京都に行ってきた。「非線形科学」の話を伺うため、京都大学数理解析研究所客員教授の蔵本由紀さんを訪ねた。

「非線形・複雑系の科学とこれからの建築・都市」という特集を、いま「建築雑誌」で準備している。
なぜ、建築史家が非線形? それにはいくつかの理由があるが、確かな契機は蔵本さんの本に出会ったことだった。最初に『非線形科学』(2007)を読んで、「カオス」や「フラクタル」、「複雑ネットワーク」といった個別に聞きかじっていたものを、「非線形科学」という一つのまとまりとして理解することができた。『新しい自然学』(2003)は、それが科学の一つのパラダイムであり、したがって自然の新しい分かり方であることを、自身の具体的研究を基に、開かれた言葉で説いていた。

自然や木々や生物の実に巧みな姿を見ていると、これは誰かがつくった者がいるに違いない、と考えるはずである。少なくとも、後の西欧につながる人々は、そう思った。
しかし、そうではない、創造主を想像しなくてもそれらが説明できるのだ、と考える人がそのうちに現れる。こうして17世紀の科学革命以降、さまざまな「形」の理由が解き明かされていった。細分化して変わらない要素を見出し、数学の言語を使って記述する。多かれ少なかれ、それができれば「科学」である。だから、いわゆる文系の学問も理系の学問も「科学」(自然科学/社会科学)という単語を共通に持っている。物理が「諸科学の王」と言われるのは、それが最も数理的な客観性に近く、すべての基本要素たる物質を説明できるからだ。

「非線形科学」は、その基本要素を数理的な客観性で説明する、という部分を引き継いでいる。だから「科学」の名で呼ばれる。しかし、さまざまな物質の共通性を明らかにする時に、どんどん小さな物質に分解していくというオーソドックスな物理のやり方はとらない。それでは明らかにできないことが多いことに気づいたからだ。
そもそも最初に目を見張ったもの。つまり、大海原の波や木々の枝振り、群れをなす動物たちの「形」は、オーソドックスな物理によっても分からないことが多い。では、どうしたら良いか。単なる既往の科学の批判ではなく、構築的な再検討が1970年代以降に形をなしていった。蔵本さんは同期現象の解明等によって、そこに大きな貢献をなした。これについてはスティーヴン・ストロガッツの『SYNC』(2005)が分かりやすい見取り図を与えてくれる。

で、ようやく建築の話が書ける。こうした変化が建築と無縁でない一つの理由としては、建築も科学の上に立つ工学の一種なのだから、という説明ができる。
しかし、建築には工学の一つに甘んじることを良しとしないところがあり、建築史家もそれに荷担する。
だとしたら、さらに言えるのは、この変化が自然科学と社会科学の両方にまたがってしまう、この分野により大きなものであろうことだ。人間に対して「形」を与える―下手をすると神に成り代わって―建築に、意識的であれ無意識的であれシンクロしていることは、押さえておいて損はないと思う。

  
建築の際打ち上げ

イベントに行くにも嗅覚がいる。ビッグネームを集めても・・・のこともあるし、主宰者が大きいと質が保証されるかというとそうとも限らない。
そして、僕は嗅覚がないので、東京大学大学院情報学環・学際情報学府主催の建築系連続トークイベント「建築の際」に、最終回で初めて行った。

東京大学の福武ラーニングシアターで昨日(3月24日)行われた「第5回 空間の際」のゲストは、建築家の原広司さん、数学者の松本幸夫さん、コンピュータサイエンティストの暦本純一さんのお三方。
ただ集めただけではないのが、この企画の良いところだった。
主催するのは、吉見俊哉研究室の助教・南後由和さんをはじめ、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の大学院生。ゲストの構成から当日の運営まで、すべてを取り仕切る。
興行ではなく、「研究会」だった。事前勉強をしっかり行い、方向性を用意しているが、それは決して議論を小さくまとめようとするものではない。態度は堂々としているが、虚勢でないので、見ていて気持ちいい。
こうした開かれた研究会を、きちんと構築できる。さすがだなぁと思う。

原広司さん、暦本純一さんのお話は、どれもメモに取りたくなるものだった。メモからランダムに。
「これは最新のもので今治のコンペの案。島を反転して見える風景を形にした。もうこんなのはダメという拒否反応が出ておりますが、、建つかもしれない(笑)」(原広司)
 [参考]みなと再生事業基本計画策定業務委託プロポーザル最終選考結果
     http://www.city.imabari.ehime.jp/sigaichi/proposal/kekka.html
「(コンピュータサイエンスによって)歴史的にクリエイティビティの深淵だと思われていたものの神秘性が剥がされるのかもしれない。今はその過程の途中」(暦本純一)

中でも松本幸夫さんがすごかった。
「多様体論は5次元以上は易しいんです。高次元のほうはスカスカなんですよ。低次元のほうがひっかかりがあるんです」
「宇宙がなくても数学はできる。全然困らない」

「数学は『数学的世界』が立ち上がっている」という松本さんの説明はとても分かりやすかった。そうした世界の住民であり、しかし、たいへんに一般人の部分を持たれている・・・考えてみたら、2つの節に入るべきは「しかし」ではなく「したがって」か。「愛すべき学者」を絵に描いたようだった。

学術の良い場所に行くと、俗世を忘れさせてくれるリゾートに来たような気分になる。リラックスさせてくれる位に綿密で、こちらもアイデアが生まれたりする。
丸山欣也三つの手WS

丸山欣也さん(Team Zooアトリエ・モビル主宰)はワークショップの達人でもある。今年もフランス・パンブッフで「ナント-サン・ナゼール・コンストラクション・ワークショップ」を終えたばかりだ。
そんな丸山さんがこの4月、長く務めた早稲田大学芸術学校の非常勤講師を定年退職される。「丸山欣也 特別ワークショップ」が3月28日(土)、早稲田大学大久保キャンパスで開かれることになった。

「空間の探索1 視点を変える。」と題された第1部(11~15時)、「空間の探索2 みんなで共有する。」という第2部(15~18時)。その後は引き続き「丸山欣也先生を囲む会」が催される(18~21時)。
参加申込みは26日(木)までに、氏名、所属、連絡先、参加希望内容(第1部・第2部・囲む会)をご記入の上、下記申し込み窓口にFAXまたはメールにて御連絡ください。
申込先:e-mail:a-site@nifty.com・Fax/tel:03-3371-2433 Atelier SITE 工藤裕子

パンブッフで行われた丸山欣也さんのワークショップ動画がYouTubeにアップされていたので、以下にペースト。
Kinya MARUYAMA - Paimboeuf - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=kmdyZ8MmwOQ
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