江戸東京たてもの園_建物と夏

あと会期が3日、という時になって書くのも何だが、江戸東京たてもの園で開かれている「特別展 日本の建物 建物と夏」は面白かった。
東京・小金井市の江戸東京たてもの園は今年、開館15周年。それを記念して2008年度に4つの特別展が開かれる。
THE ARCHETYPE04

自転車置き場として生き長らえていた戦前モダニズム建築が、飛ぶ鳥を落とす勢いの芸能事務所のオフィスに生まれ変わった。
DOCOMOMO100選にも選ばれている旧四谷第五小学校(1934)が吉本興業グループ東京本部として今年4月から使い始められたことは、快哉を叫びたくなる今年の出来事だ。その改修設計のプロセスを追った写真集が刊行された。
馬場烏山別邸の階段

6月30日(月)の18時から、東京・田町の建築会館ホールで、建築家・吉田鉄郎の特集番組(富山テレビ)の上映会&シンポジウムが開かれる。
吉田鉄郎は1894年に富山県砺波郡福野町(現・南砺市)の郵便局長の家に生まれ、1919年に東京帝国大学建築学科を卒業後して逓信省経理局営繕課に勤務。検見川送信所(1926)、別府市公会堂(1928)、東京中央郵便局(1931)、馬場烏山別邸(1937)、大阪中央郵便局(1939)を設計するなど、戦前のモダニズム建築を牽引した建築家だ。
津田塾大学本館 岩手県公会堂 栃木県庁舎

この3日間は晴れ続き、建築見学会続きにはもってこいだ。
10時15分から、西東京市の市民サークル「近代建築を学ぶ会」で佐藤功一の話をする。今日はいつもの半分程度の時間しかないので、主に写真を映し、建築家としての特質は次の回に。
写真は津田塾大学本館(東京都小平市、1931)と、岩手県公会堂(岩手県盛岡市、1927)と、栃木県庁舎(栃木県宇都宮市、1938)。生かされ方としては、順不同で「優」「良」「可」だろうか。

正午からは「open! architecture ― 建築のまち・東京を開放する」の建築見学会。今回は1931年に完成した2つの建物を続けてまわる。
JAビル03

建築の見学会が続く。今日は「建築解放区」と題したイベントで、3つの建物を解説しながら巡った。国際建築家連合(UIA)2011東京大会関連事業として5月15〜17日に行われている建築・都市関連の催しが「open! architecture ― 建築のまち・東京を開放する」の一環だ。

1つ目は、11時からの山梨中央銀行東京支店(徳永庸、1931)。多くの銀行が立ち並ぶこの界隈だが、バブル期に古い建物の解体と高層化が進行し、昭和初期の建築のまま営業しているのは、この山梨中央銀行東京支店だけ。
検見川送信所04

建築家・吉田鉄郎の設計で1931年に東京駅前に竣工した東京中央郵便局。その存続を願う「東京中央郵便局を重要文化財にする会」は、4月8日付けで日本郵政株式会社社長西川善文氏と総務大臣増田寛也氏宛てに東京中央郵便局を重要文化財に指定して欲しい旨の要望書を送付した。
奇しくも同時期、吉田鉄郎が手がけた千葉県千葉市の検見川送信所についても、文化財指定をテコとした保存への動きが高まっている。
※2008.4.9追記 「東京中央郵便局を重要文化財にする会」のホームページが公開されました

東京中央郵便局

辰野金吾の設計による東京駅(1914年竣工)は、竣工当時の姿への復元工事が始まり、正面は歴史的な解説が記された仮囲いで覆われている。その横で、吉田鉄郎が手がけた東京中央郵便局(1931年竣工)が、いよいよ存続か否かの正念場を迎えている。

すでに新聞などで取り上げられているように、3月25日午後6時から永田町の憲政記念館会議室で「東京中央郵便局を重要文化財にする会」が発足した。