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3か月に2回位のペースで行っている「朝日カルチャー新宿教室」の建築講座。本日は日本女子大学から雑司ヶ谷へと散策した。
集合は11時に目白駅。定員25名がすぐに埋まってしまい、若干増員したので、少し人数が多い感じ。一体感にやや欠けるのが、申し訳ない・・。

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さて、日本女子大学へ。同校は1901年の開学時から、大隈重信が創立委員長を務めるなど早稲田大学との関連も深い。
それは建築分野にも現れていて、戦前から佐藤功一や今和次郎など早稲田の教授が、真剣に教えていた。そんな住教育の歴史が、林雅子さんや妹島和世さんといった戦後の女性建築家の輩出までつながっているのだ。

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最初に見学させていただいたのは、開学と共に1901年に建てられ、日本女子大学の創立者である成瀬仁蔵が1919年に没するまで暮らした「旧成瀬仁蔵住宅」。
和風のつくりながら、サンルームのような和室の構成や増築部の洋室の天井など、意匠が、同時期(1907年竣工)の雑司が谷旧宣教師館(マッケーレブ邸)と呼応するのが面白い。
成瀬仁蔵は自邸を建設する以前にアメリカに留学し、マッケーレブはアメリカからやってきた。キリスト教を通じた洋風建築の伝播が分かる。この場所はなかなかの穴場なのである。

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次に「成瀬記念講堂」(旧豊明図書館兼講堂)へ。1906年に建設され、関東大震災の後の大修復によって講堂部は現在の姿となった。
当時の官学に匹敵するような本格的な講堂。わが国で最初の組織的な女子高等教育機関をつくろうという構想の大きさと、協力者を惹き付ける魅力が成瀬に備わっていたことが知れる。設計は清水組の技師・田辺淳吉だ。

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正門を挟んで反対側にある「成瀬記念館」も忘れてはならない。1984年の完成で、設計者は浦辺鎮太郎。
成瀬記念講堂に呼応するデザインながら、安易なコピーに堕していない。その腕前は、さすがモダニスト世代ながら独自の道を行った浦辺鎮太郎である。外部から内部へと続きながら上昇する空間の構成はモダニスト的だけど、装飾による空間の彩り方はとても前川國男と丹下健三の間の年齢とは思えない(浦辺は1909年生まれ)。浦辺鎮太郎を再考しなければ、と改めて感じる。

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不忍通りを渡り、「雑司ヶ谷 寛」で皆さんと一緒にお昼にする。ここはサンカ小説で一世を風靡した三角寛の旧宅を活用した個室料亭。こんな場所にという意外性もいい。
落ち着けるし、緑も綺麗で、お昼は3,500円から。季節を感じさせる旬の食材の取り合わせがうまい。予約制で2名から入れます。

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最後は「雑司ヶ谷宣教師館」(旧マッケーレブ邸)へ。道すがら、建築らしい建築があって、誰がやったのだろう? と思って後で調べたら、三幣順一さん(A.L.X.)増渕大さん(studio M)の「雑司ヶ谷の集合住宅」だった。「新建築」の2007年2月号にも掲載されているのこと。

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雑司ヶ谷宣教師館は修復工事を終えて綺麗になっていた。田畑の中に忽然と現れたアメリカ、といった様子がいっそう伝わる。

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予定の14時半に講座を終えることができ、途中で雑司が谷に来ているとFacebookに書いたら「帰りはあぶくりにお越し下さいw」というコメントをくれた建築家の嶋田洋平さんの奥さんのカフェに寄る。
名前は「あぶくり」で、オープンは昨年の8月。嶋田さんは3年前の北九州時代(西日本工業大学准教授だった頃)に出会って、北九州を盛り上げ始めた盟友の一人。話を聞いていたので、行ってみたかった。

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で、本当にあぶくりに顔を出したら、嶋田さんがいた(笑)。
素敵な店内。他のお客さんが自然に落ち着いて長居をしている感じ。いいカフェだと分かる。
雑司ヶ谷にはこういうお店が無かった。あぶくりは斬新に、新しい普通を作り出していた。

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古町フォーラムポスター

大学の同期で熊本大学の准教授をしている建築家の田中智之さんが、設計課題の講評会に呼んでくれたので、熊本に行ってきます。

田中スタジオの課題は「熊本市古町エリアの中心に位置する、現早川倉庫の敷地に『古町フォーラム』を計画・設計する」というもの。
先行して行った「『古町コード』の読解、それに基づく試案、『古町デバイス』の成果をふまえ、中低層密集市街地における都市施設のありかたについて各自考察し、計画を行うこと」になる。

明治期に成立した「早川倉庫」を含む場所が課題の敷地で、その講評会を実際の「早川倉庫」の中で行うという素晴らしいセッティング。
以前、熊本を訪れた時にも古町のグリッド構造に目を見張り、「早川倉庫」にも入ってみたかったので、とても楽しみだ。
田中さんからのメールには「夜は学生との懇親会を企画しています。楽しみにしていてください」とあったので、これも楽しみだ。
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江戸東京たてもの園で「建物のカケラ - 一木努コレクション」展が始まったので、行ってきた。
建物は生まれ、やがて消えゆく。約900箇所の解体現場に赴き、失われる建物の断片を救い出すこと40年の「カケラ」コレクター。一木努さんの個人コレクションをお蔵出しした展覧会だ。

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まずその量に圧倒された。銀座煉瓦街の基礎レンガ、鹿鳴館の杭、帝国ホテルの装飾レンガ、吉阪隆正邸の玄関床タイルといった建築史上で著名なものから、一木さんのふるさとである旧下館市の消防署やなじみの銭湯のタイルまで、展示総数は約700点にもおよぶ。
東京主要部にあった建物のパーツは地図のように構成され、「カケラの街」になっている。見る人によって、琴線に触れる断片も違うはずである。

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「建築雑誌」の編集長を藤森照信さんが務めていた2年間、毎号の表紙に一木努コレクションの写真が使われていた。撮影が増田彰久さん、表紙デザインが南伸坊さん。歴代の「建築雑誌」の中でも印象深い表紙だったのだが、その表紙と現物を並べた展示も今回あって、見比べてみて興味深かった。

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加えて、今回の展覧会が特徴的なのが「触れる」、「撮れる」、「読める」ということ。
「触れる」というのは、メイン会場の入口部分の展示で、ここにあるパーツだけは手を触れることができる。実際の肌合いやカーブの具合などが分かる。
「撮れる」は、会場の中が撮影可能だということ。「カケラの街」をいろんなアングルで撮ると、断片の迫力も増してくる。
「読める」というのは、訪れるともらえる資料。カタログ代が要らない無料のパンフレットなのに、情報が実に詰まっている。オールカラーの32ページで、カケラのそれぞれの来歴や解説が読める。これだけで、たてもの園入園料の400円はするだろう、普通。
会場でじっくり眺めた後、帰ってまた楽しめるのだ。

同展は2009年3月1日までで、毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)は休館。

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日本銀行本店

本日は10時半に集合して、日本銀行本店の見学会。といっても、昨日から始まった「open! architecture ― 建築のまち・東京を開放する」の一環としての「建築解放区」ではなく、NHK文化センターの柏教室の講座である。
今日も、昨日と同じような快晴。同じように神田で降りて、山梨中央銀行東京支店の前を通る。今日の回には、NHKの「おはよう日本」の取材が入ると話していた。ブラウン管に出る機会を逸して、少し残念な気もする。ブラウン管とは言わないな、今は。
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清泉女子大学パンフ

清泉女子大学本館(旧島津公爵邸)
に、ちょうふ市民カレッジの講座で訪れた。
日本に本格的な建築学を持ち込んだジョサイア・コンドルの設計で、1917年に島津忠重邸として完成した建物だ。

関東大震災以前に建てられた本格的な洋館として、旧島津公爵邸は全国的に見ても貴重といえる。しかも、この建築には他にあまり無い特徴がある。それは、かつての見所を残しながら、現役の大学校舎に転用され、新たな命が吹き込まれていることだ。
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2006.11.05 バラの洋館
薔薇の花羊羹

古河庭園のバラは見ごろだった。
坂の上には、洋館が両手を差し伸べるように建ち、
変わらない外壁の黒色が、刹那の咲き誇りを引き立てにまわる。

「普段は入れない芝生での講演ですので、この機会にぜひ!」
東京都公園協会の方の呼びかけがあって、
13時からの「青空トーク:建物と洋風庭園の話」には
60~70名の皆さまが足を止めてくれた。
米山勇さんからの紹介で「文化財ウィーク」にちなんだ話をすることになったのだ。
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