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2009.01.10
「日経アーキテクチュア」に建築漫画

「日経アーキテクチュア」の新年号(2009年1月12日号)が届いた。
開いた・・・
字が少ない! 同誌上最少ではないかと思うほどに。
新年号の内容は、特集「超図解建築界2009」、巻末特集企画「コミックアーキ」、クローズアップ「モード学園コクーンタワー」の3本立て(僕の連載「ドコノモン100選」も今回はお休み)。
つまり〈図〉と〈絵〉と〈写真〉。文字が少ないのも当然だ。
その中で文字数を押し上げているのが、宮沢洋氏(同誌)の企画だった。
一つは、特集中の「消えた建築、消えゆく建築」で、2000年以降に取り壊された、あるいは取り壊しの危機にある、1920年以降竣工の建物62件のデータを見開き2ページに詰め込んでいる。
日本建築学会の「建築アーカイブズ小委員会」でも、来年度は建築が壊された記録をしっかり収集しようと決めたばかりなので、こうやってまとめてもらえるのは有り難い。
もう一つは、宮沢さん自身の描いた漫画「『建築士』『建築家』をめぐる闘いの100年史」。
巻末特集企画「コミックアーキ」には他に、岸大武郎「ユメノ街」、榎朗兆(作画)+谷口裕美(原作)「建築びより」、鈴木小波「じじぃの塔」の3編が収録されているが、それらと比べるとタイトルからして、まず固い。
しかし、内容は柔らかい。そしてためになる。
「日本建築家協会」「日本建築士連合会」「日本建築士協会連合会」「建築業協会」「日本建築学会」の、いわゆる「建築5団体」のうち、会員数がいちばん多いのはどこか、そもそも何が違うのか。
すぐに答えられる人が、どれくらいいるだろうか?
正解は同誌を参照。辰野金吾を狂言回しに、歴史をさかのぼり、的確な解説を加えている(だから自然に字が多い)。
楽しいながら学べる、建築系「学習漫画」。とても勉強になった。
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2008.10.24
竹山実が基本設計を行った「渋谷109」ビル

「日経アーキテクチュア」(日経BP社)という雑誌で「ドコノモン100選」という連載を行っている。
11回目の今回は「渋谷109」。アイコンになりかった建築はたくさんあるけれど、実際になれた建築はそうない。この銀色の円筒形は、みごとファッションビルのシンボルになりえた。街角の名建築を発掘する「ドコノモン100選」で、これを採り上げない手はない。
2008.08.10
モダン建築巡礼・トリノ編

北京オリンピックが始まった。最新号の「日経アーキテクチュア」2008年8月11日号は、それに合わせて「北京再誕」と題した北京特集を組んでいる。現場の熱気が伝わってくるレポートで面白い。分かったフリをせず、もうしばらく良い面に期待するように眺めてからでも、評価は遅くないのかなという気持ちになる。
第2特集と言って良い「UIA大会トリノレポート」もライブ感では負けていない。中でも個人的に興味深かったのが、マンガも書ける同誌の編集者・宮沢洋さんによるトリノ建築のレポート。建築愛好家には言わずもがなだが、磯達雄さんと共に『昭和モダン建築巡礼 西日本編
2005.12.01
川俣正さんに尋ねてみた
遅ればせながら、横浜トリエンナーレを訪れた。
陽光と潮風 ― と、ときどき隣の倉庫からの排気ガスの臭い ― の中で、
ダニエル・ビュランの赤白の旗が美しい。

コンテナの出店や、体験系が主流の作風。
平日で若者中心だった客層もあって、
「学園祭」という印象 ― 良くも悪くも ― を受けた。
いくつかの作品は新鮮で、テンポラリーな倉庫という場に合っていた。
これが現代の社会的アートだと頭では分かっているつもり。
でも、違和感も否めない。
きっと僕は、オールド・ファションドなのだろう。
ともあれ、9か月という短い準備期間で開催にこぎ着けたのは、
川俣正さんのディレクションあってのことに違いない。
「アート・サーカス」― 「見る側と見せる側の根本的な垣根を取り払い、
またそこで行われる表現に遙かなるジャンプ(跳躍)を起こ」す(カタログより)―
という企図も正しく思う。
会場で、ポートレートを撮るカメラマンがポーズを指図する。
それを見て冷やかすスタッフに、笑って応える川俣さん。
なるほど、こうした真面目なちゃめっ気が、
数多のビッグ・プロジェクトを可能にするのだと実感した。
肝心の川俣さんへのインタビューは、横浜トリエンナーレの会場構成を担当した
若手建築家(ワークステーション+アトリエ・ワン+みかんぐみ+藤本壮介さん)
の話から、建築保存論、土木の可能性まで及ぶ。
「建築論をお話しいただきたい」という不躾な要請に、誠実に応えていただいた。
来年から『日経アーキテクチュア』(日経BP社)が「NEXT-A」という
ブック・イン・ブックを本格的にスタートさせる。
その2月か3月号に載る予定。
陽光と潮風 ― と、ときどき隣の倉庫からの排気ガスの臭い ― の中で、
ダニエル・ビュランの赤白の旗が美しい。


コンテナの出店や、体験系が主流の作風。
平日で若者中心だった客層もあって、
「学園祭」という印象 ― 良くも悪くも ― を受けた。
いくつかの作品は新鮮で、テンポラリーな倉庫という場に合っていた。
これが現代の社会的アートだと頭では分かっているつもり。
でも、違和感も否めない。
きっと僕は、オールド・ファションドなのだろう。
ともあれ、9か月という短い準備期間で開催にこぎ着けたのは、
川俣正さんのディレクションあってのことに違いない。
「アート・サーカス」― 「見る側と見せる側の根本的な垣根を取り払い、
またそこで行われる表現に遙かなるジャンプ(跳躍)を起こ」す(カタログより)―
という企図も正しく思う。
会場で、ポートレートを撮るカメラマンがポーズを指図する。
それを見て冷やかすスタッフに、笑って応える川俣さん。
なるほど、こうした真面目なちゃめっ気が、
数多のビッグ・プロジェクトを可能にするのだと実感した。
肝心の川俣さんへのインタビューは、横浜トリエンナーレの会場構成を担当した
若手建築家(ワークステーション+アトリエ・ワン+みかんぐみ+藤本壮介さん)
の話から、建築保存論、土木の可能性まで及ぶ。
「建築論をお話しいただきたい」という不躾な要請に、誠実に応えていただいた。
来年から『日経アーキテクチュア』(日経BP社)が「NEXT-A」という
ブック・イン・ブックを本格的にスタートさせる。
その2月か3月号に載る予定。
2005.10.24
ライターさん気分
「褒められてますぜ、アニキ」と、弟からメールが入って、
見ると「日経アーキテクチュア」の最新号に寄せた文章が、
「建築雑誌オールレビュー」で採り上げられていた(10月18日付)。
「平成クライアント列伝」の特集の中で、
昭和のクライアントについて、4ページを与えられた。
一目で分かる見取り図を作ったり、
ひとまず腑に落ちるような「結論」を考えてみたり。
最初に枠組はあるものの、基本的には、それぞれの目論見で
書かれたものを加算してできる普通の建築雑誌
(最近は書籍もそうかもしれない)とは違って、
全体の中のパーツとして求められる心地よさを感じる。
原稿料がページいくらなのも、ライターさん気分の一因か。
それにしても、このページは知らなかった。
建築・住宅・インテリアを扱う20数誌の読みどころを、すぐに紹介。
「やるなら全部」というのは、単純でいて、常に意義深いと思う。
東京ガス運営による「PF1」の提供、「建築&住宅メディア研究会」が執筆。
代表は、建築&住宅ジャーナリストの細野透さん。
「ぽむ企画」の平塚桂さんもライター陣の一人で、
これはもう筆致が違うので、一目瞭然。
女子文体で、読ませます。
見ると「日経アーキテクチュア」の最新号に寄せた文章が、
「建築雑誌オールレビュー」で採り上げられていた(10月18日付)。
「平成クライアント列伝」の特集の中で、
昭和のクライアントについて、4ページを与えられた。
一目で分かる見取り図を作ったり、
ひとまず腑に落ちるような「結論」を考えてみたり。
最初に枠組はあるものの、基本的には、それぞれの目論見で
書かれたものを加算してできる普通の建築雑誌
(最近は書籍もそうかもしれない)とは違って、
全体の中のパーツとして求められる心地よさを感じる。
原稿料がページいくらなのも、ライターさん気分の一因か。
それにしても、このページは知らなかった。
建築・住宅・インテリアを扱う20数誌の読みどころを、すぐに紹介。
「やるなら全部」というのは、単純でいて、常に意義深いと思う。
東京ガス運営による「PF1」の提供、「建築&住宅メディア研究会」が執筆。
代表は、建築&住宅ジャーナリストの細野透さん。
「ぽむ企画」の平塚桂さんもライター陣の一人で、
これはもう筆致が違うので、一目瞭然。
女子文体で、読ませます。
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