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沖の島サーヴェイ02

沖の島までは宿毛から船で1時間。38年前は2時間かかったという。
1971年に明治大学の神代雄一郎研究室がサーヴェイをしたのと同じ旅館(『建築文化』の記事に「協力」と書いてあった)に泊まり、「ところで…」と我々の主旨を話したところ「あぁ覚えているよ」と。奥から当時の手紙2通を出してきてくれた。

西向きの斜面集落を午後ずっと歩き回っていたので、一気に日焼けした。

沖の島サーヴェイ01
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大田省一さん02

昨日は東海大学准教授の渡邉研司さんが開いているレクチャーシリーズ「MARS会」へ。
ここ数年来、気になっているテーマの一つが、「デザインサーヴェイ」なのである。

昨年の10月にはJIA+KITアーカイブズの一環として、「よみがえるデザイン・サーヴェイ」展をJIA大会で開催した。調査地を再訪したり、関係者に話を聞いたり、兼松紘一郎さんや渡邊さん、渡邊研の院生と一緒にサーヴェイの調査を行った(以前の関連記事)。

今年は大林都市研究振興財団の助成が取れたので、さらに展開して「デザインサーヴェイ」の再考をまとめられないかと渡邊さんと考えている。
それで「MARS会」の年間テーマも「デザインサーヴェイ」。前回は僕が伊東忠太のサーヴェイについて話したのだった(以前の関連記事)。

大田省一さん01

昨日の第2回では、東京大学生産技術研究所助教の大田省一さんにお話いただいた。
ベトナムなどをフィールドとする大田さんは、強い足と目と頭を持つ研究者として尊敬している。「建築雑誌」編集委員会幹事の名簿にも一緒に名前があったので、何かほっとしたのだったが、近しい仲でも、意外と真面目な講義というのは聞かなかったりもする。

大田さんの話は面白かった。今「デザインサーヴェイ」を再考することに大きな意味がある。そんな思いが正当だと感じさせてくれた。
実感に基づいた細やかな解釈は触発的だし、他方でアメリカやフランスの、ある種の覇権との関係で捉える広い視点は、専門研究者たる大田さんからでないと出てこない。
大田さんは今「建築雑誌」で「デザインサーヴェイ」の特集を編集されている。そっちも楽しみ。

オレゴン大学デザインサーヴェイ

しかし、参ったのは、帰路に小田急線がストップしたこと。
渡邊さんや大田さんはそれ以前に乗り換えたので助かったが、彰国社の神中さんと僕が、下北沢の人身事故に引っかかる。新宿に着いたのは、日付も変わった1時半だった。


伊東忠太フィールドノート
倉方俊輔「挑戦の建築家」(『INAX REPORT』No.168)より

渡邉研司さんの勉強会「MARS会」に呼ばれ、東海大学で伊東忠太の話。
前回「MARS会」で話をしたのは2006年だった。この時のことは、渡邉さんの『論文はデザインだ!』の冒頭に載っている。その日の「吉阪隆正とル・コルビュジエ」の話に来ていなかった「S君」(同書参照)も、今では大学院2年生。渡邉研の中心を担っている。

今期は「デザイン・サーヴェイ」がテーマということだったので、「伊東忠太とデザイン・サーヴェイ」と題して、伊東忠太が1902年~05年のアジア・欧米留学(世界旅行)で目論んだものは何だったのか。どんな風に旅し、何をどう観察し、デザインに結びつけたのかを話す。

小沢朝江さんにも来ていただき、鋭い質問をいただいたので有り難かった。当時におけるアメリカの意味や「デザイン」の持つ含意について考えさせられた。
伊東忠太の観察は単に、デザインの表層を集めるものではなく、その奥の原理を求めるものだった。それが今日は分かって興味深かったが、だとしたら「デザイン・サーヴェイ」という形容はそれに相応しいのだろうか、というのが小沢さんの質問の一つだった。
「デザイン」という言葉は、最終的に作られた形態を指すと同時に、それを作り出す精神を指す。3年間にわたる伊東忠太のサーヴェイは、後者を明らかにしようという意気込みに突き動かされていて、それが1908年末の「建築進化論」に最終的につながる。

もちろん、伊東忠太の頃には「デザイン・サーヴェイ」という言葉は無かったので、まずこれを「デザイン・サーヴェイ」だと見てみたら何が分かるか、という仮説的作業である。
では「デザイン・サーヴェイ」とは何だったのか? 何が行われ、そこで「デザイン」という概念に何が託されていたのかと問うと、まだまだ分かっていない。

渡邊さんたちと昨年、「よみがえるデザイン・サーヴェイ」という冊子を編んだ。
法政大学・宮脇壇ゼミのサーヴェイについて中山繁信さん(工学院大学教授)、芝浦工業大学の相田ゼミに関して相田武文さん(芝浦工業大学名誉教授)、明治大学の神代雄一郎研究室について松本勝邦さん(明治大学講師)にインタビューを行い、有力な証言を得た。

「よみがえるデザイン・サーヴェイ」展&シンポジウム
http://kntkyk.blog24.fc2.com/blog-entry-154.html

「デザイン・サーヴェイ」とは何だったのか?
さらに広く、振り返る必要があるだろう。今年の課題だ。そんなことで、渡邉さんと意気投合。
2008年の倉方俊輔執筆

大晦日なので、2008年中に公刊された書き物を一覧にしてみた。
ボールは投げられないと、返せない。
いろいろなご縁に恵まれて、今年、幅広く書けたこと、勉強させていただいたことに改めて感謝の思いがわく。

しかし、こうして見ると、2008年の査読付論文は1本だけである。
論文もさることながら、来年はもう少しオーソドックスな建築史家としての仕事を公にしていこうと思えば、ごーんと除夜の鐘。



●倉方俊輔の2008年執筆一覧(特記なきものは単著)
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よみがえるデザイン・サーヴェイ01

まずは2008年10月16日に行われたシンポジウムの概要から。
「よみがえるデザイン・サーヴェイ」と題したシンポジウムは13時から始まり、司会の兼松紘一郎さんの趣旨説明の後、5人のパネリストが順に登壇された。

法政大学・宮脇壇ゼミのサーヴェイについては中山繁信さん(工学院大学教授)、芝浦工業大学の相田ゼミに関しては本人である相田武文さん(芝浦工業大学名誉教授)、明治大学の神代雄一郎研究室のことは松本勝邦さん(明治大学講師)が、当事者でなくてはできないエピソードを盛り込みながら話される。
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広瀬河畔教会納骨記念碑02

JIA東北大会がメディアテークで開かれているので、仙台を訪れている。

象設計集団(大竹康市さん)設計の広瀬河畔教会納骨記念碑は、予想していた場所とは違って、中心街からバスで20分位のところにあった。でも、行って良かった。
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