
一般名詞ではない「建築雑誌」を、ご存知だろうか?
(社)日本建築学会が明治20(1887)年から発行している月刊誌の名称だ。学会員の数はおよそ3万5千人。一般に売っていない機関誌であっても、部数だけなら専門誌にひけをとらない。
本当はそれどころではないのだが、なにせ年末。会合の季節である。

写真家の北田英治さんが第1回のアイ・シ・オール賞を受賞された。
鳩山会館で12月26日の夜、パーティーが開催された。
北田さんのご交友を反映して、出席者は幅広く、
和太鼓が演じられて、洋館の壁が剥がれるのではないかと思えるほどの迫力だった。
受章の理由の主たるものは、竹中工務店1階に開設されたエー・クワッドで
開かれた展覧会「ル・コルビュジエのインド」。
その撮影にご一緒した関係で、祝辞を述べさせていただいた。
第10回という節目の大会は、発祥の地・オランダに戻るのか、
それとも日本がアジア初の開催国となるのだろうか。
オリンピックのことでは、もちろんない。
DOCOMOMOの2008年大会のことである。
昨日(9月27日)から、第9回のDOCOMOMO大会が
トルコの首都・アンカラで始まった。
会場はMIDDLE EAST TECHNICAL UNIVERSITY(METU)。
戦後、アメリカの協力で設立された国立の大学で、今年が開校50年。
工学部の他、経済学部など人文科学系の学部も持っていて、
建築学部の中に、建築学科と都市工学科と
インダストリアルデザイン学科がある。
キャンパスがむちゃくちゃに広い。
入口に放り出されても、目的の建物にたどり着けないほどで、
漫画「コータローまかりとおる!」を思い出すと言ったら、
歳がバレるだろうか?
差出人は「日本文化藝術財団」。
中身が紙1枚なのは、すぐに分かる。
「『残念ながら…』なら、参考資料くらい、返却してくれてもいいのに」
ぼやきながら、封筒の口を破る。
端の少し折れた用紙には、
「厳正なる審査をいたしました結果、
日本現代藝術奨励賞の受賞者に決定しました」
と書かれていた。
今年で13回目の「日本現代藝術奨励賞」。
要項によれば、
「現代藝術の創作普及、調査研究に関する活動を行うことを
主な目的とし、その活動において既にある程度の実績があり、
奨励賞を受けることにより今後の活動が更に期待される藝術家
または研究者」に与えるとのこと。
伊東忠太と吉阪隆正の研究活動が評価されたようだ。
「日本現代藝術奨励賞」の過去の受賞者には、
建築家の妹島和世さん、宮本佳明さんなどがいる。
同財団は他に「日本現代藝術振興賞」などを主催している。
こちらの受賞者は、建築に隣接した分野の方が多い。
和泉正敏氏(彫刻家、イサム・ノグチのお弟子さん)
原美術館(現代美術館、渡辺仁の設計した邸宅を改装・別館は磯崎新が設計)
田窪恭治氏(芸術家、「林檎の礼拝堂」再生プロジェクトで村野藤吾賞、
鈴木了二さんとのコラボ「絶対現場」「金刀比羅宮社殿」など)
宮脇愛子氏(彫刻家、磯崎新夫人)
川俣正さん(芸術家、建築・都市的なプロジェクトを多く手がける)
荒川修作氏(芸術家、「養老天命反転地」とか「三鷹天命反転住宅」とか)
宮本隆司氏(写真家、廃墟・アンコールワット・段ボール小屋などを撮影)。
建築つながりで言えば、今年の「日本文化藝術振興賞」(伝統的な対象を扱う)は、京都の町屋の保存活用で知られる「財団法人奈良屋記念杉本家保存会」が栄誉を受けた。
建築史・評論の分野で初めての受賞者になれた。
ダブルで初物で、うれしい。
財団は未来を見据えながら、「藝術」という表記などに、
日本への独自の思い入れを感じさせる。
授賞式は、格式ある「明治記念館」。
名誉会長の瀬島龍三氏にお会いできないかしら、わくわく、
などと、式典の日を心待ちにしている。








