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スケジュールに6日間空きがとれることが分かったので、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの3か国を、それぞれ1日、2日、1日半で見に行くことにした。

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2月4日の昼前に成田空港を経って、予定より早く9時間でヘルシンキ空港に着陸。人がたくさん見えるのに、静かで人の存在感が薄いんだな、いい意味で。
今までそういう性格は東京が一番だと思っていたけど(インドなどから戻ると幽霊が歩いているみたいだ笑)越えられた・・さすが北。

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オスロ行きが出るまでの1時間はフィンエアーラウンジで。食器はイッタラ、椅子にはボールチェアも並んでいる。

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やがてヘルシンキからオスロに飛行機が飛び立つ。どんよりとした曇り空だからこそ、上に出ると綺麗に敷かれた雲の絨毯と水色の空、その間のほのかな夕焼けの取り合わせに息を飲んだ。

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オスロに着陸した17時には、すでに真っ暗で緯度が高いなあと感じるけど、意外なことに体感気温は東京と変わらなくて拍子抜け・・手袋なしでも、手がかじかまないくらい。

明晩にはストックホルムに移るので、丸1日で出来るだけオスロを体験することに。まだ時間が早いし、出歩くのも悪くないと思える気温なので、夜の街を散策することにした。
デンマーク、スウェーデン、フィンランドに比れば、建築家に誰がいる?と言った時、ノルウェーはすぐに思い浮かばない。
晩年に一層の国際的評価を高め、プリツカー賞を受賞した国民的建築家のスヴェレ・フェーンにしても、少し渋い。建築史のクリスチャン・ノルベルグ=シュルツのほうが有名かもしれない。

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そこにスノヘッタは、彗星の如く現れた。ノルウェーの建築家などが1989年に結成した建築家グループで、現在オスロとニューヨークに拠点を置いている。

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2008年に完成したオペラハウスは、シドニーのそれのように、専門家と一般の双方に、都市のアイコンとして認知されている建築。
駅からも「こちらオペラハウス」との歩行者用の看板が立っていて、夜景も綺麗だろうと予想されたので、さっそく見に行った。

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「歩行者用の看板」があるのは、オスロ駅と港湾の間のこのエリアは現在再開発が進んでいて、歩行者ルートが工事現場の中に位置しているような状態だからだ。

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スノヘッタの最新作はそこに建っている。世界最大の会計事務所であるデロイトの本社ビルが先月オープンしたばかり。伊藤豊雄さんのMIKIMOTO GINZA 2を少し連想させる。

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2つの建物を表面的に見ると、ノルウェー! 山! 氷! である(スノヘッタという事務所自体が中部ノルウェードブレ山地にある最高峰の名前)。
ジャパン! 富士山! 桜! くらいのベタな暑苦しさと言えなくもないけれど、そこは北緯60度。さすがにクールに仕上がっている。

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冗談はさておき、実際、建築的には素材の選択も含めた工芸的なディテールが効いているようだ。
オペラハウスには、空間と素材の確かな実感と、錯視的な非現実感が交錯している。

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前者はほっこりする北欧のモダニズム由来であり、後者はぴっとするインターナショナルでコンピュテーショナルな現代である。

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オペラハウスが日本と同じく、生産の職人技術がまだ生きていていながら国際的なノルウェーらしい建築であるのもさることながら、古典か現在の、現実か非現実の間合いを行くオペラという魅惑の場に、新たな表現を持ち込んだことに感銘を受けた。

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夜歩いていても寒々しさを感じない。それは0度前後に過ぎない気温のせいばかりでなく、オスロの暖かい雰囲気のためなんでしょうね。
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今日の19時半から、谷中のHAGISOにて、トークイベントに出演します。
http://hagiso.jp/art/nov_sento/

「ご近所のぜいたく空間

銭湯をはじめ、身のまわりの暮らしの痕跡って大事なんじゃないか。巨大開発の足元で、街が瓦解することを何とかできないか。
そういう思いって、東京も大阪も地方都市も同様だと思う。

建物の意匠もそれぞれに手が込み、コミュニティの一つの核となり、都市がまちまち(エリア)から成り立っている事実を顕示していた銭湯。
それが近年、次々に音も立てずに失われている。

建築家は、そんな音が聴けるプロフェッショナルだ。だからこそ、社会に有用であるはず。
文京建築ユースは、そんな方々によって構成されている。失われゆく銭湯への一連の取り組みが、今回「ご近所のぜいたく空間 "銭湯"」展という形で実現した。熱意にほだされて、私も駆け付けました。

「テーマは真剣ですが、和やかで柔軟な会議に出来ればと思います」とは、文京建築会ユースの中心メンバーの一人である、栗生はるかさん(建築家・建築都市スクールY-GSAスタジオ・アシスタント)の言葉。
そうだよね。余計な服をまとわず、温かな時間にしましょう。明日からまたそれぞれに張り切れると思えるような。

イベントの開始は19時半ですが、少しお早めにいらして、最終日となる展示もご覧になることをおすすめします。
今日の東京は格好の陽気なので、リニューアルオープンした朝倉彫塑館などを訪れて、というのもいいと思う。



【地域未来 ー つなぐべき地域の“文化” “景観” “建物” の魅力再評価サミット ー】
11月17日(日)19:30 – 21:30 入場料1000円(1drink付)予約不要
ゲスト:
倉方俊輔(建築史家)、紗幸(芸者—日本初の外国人芸者)、椎原晶子(たいとう歴史都市研究会)
多児貞子(たてもの応援団)、長坂健太郎(構造設計者/文京建築会)、宮崎晃吉(HAGISO代表)、他

主催:文京建築会ユース、HAGISO
協賛:愛知建築士会名古屋北支部
後援:文京建築会、東京都浴場組合、文京区浴場組合、台東区浴場組合、たてもの応援団、谷根千工房
お問い合わせ:文京建築会ユース
bunkyo.youth@gmail.com
構造家の池田昌弘さんが、学校を設立した。
開校は2010年の4月で、名称は「Masahiro Ikeda School of Architecture」で略称が「MISA」。
2年制の本科(昼間)と1年制の専科(夜間)からなり、本科は大学建築系学部卒業者または建築の実務経験を有する社会人、専科は建築の実務経験を有する社会人 を対象にしている。

MISAホームページ
http://www.ikedaatelier.com/misa.html

説明文には「MISAは構造設計のプロフェッショナルを育成します」とあり、「建築構造を教えるビジネススクール」とも書かれている。池田さんを学長に、これからの構造設計に必要な技術・知識を学ぶ。実践的なスクールになるようだ。
とはいえ、「統合家」を名乗り、構造設計の枠組みを超えた建築生産の再編を構想する池田さんのことである。「今すぐ役に立つ」内容をしっかり押さえながらも、それだけではなさそうだ。構造の立場から提案が行え、建築界のキープレーヤーとなれるような「これから長く役に立つ」知恵を身につける場をつくろうとしている。そう思う。

ご相談を受けた時、印象的だったのは佐藤勤さんの存在で、佐藤さんはもと新建築社の編集者だ。突出しているようにも受け取られかねない池田さんの言葉を着地させ、一般に伝える。編集者としての佐藤さんがいるからこそ、池田さんの個性が発揮できる。顔の見える学校である。

下北沢ほぼ毎日通信(佐藤勤)
http://tsutomsato.exblog.jp/

かつての「名門」がすっかり鳴りを潜め、専門学校であっても安藤忠雄さんのような個性を売りにしなくて良くなった現在。
次の「建築家」はどこから出てくるか、分からない。こういう学校が、もっと出てくるといい。
MISAに関して言えば、構造や環境工学の立場からの思考が ―これまでの《意匠からの突破》という思考と同様に― 必要だと感じ、応援している。
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高知県に来ている。個人的には、これで全都道府県制覇の記念すべき地。初日からもうやられっぱなしだ。

沖縄に通じるゆるさと、時に天下国家の枠組みを上回る構想の壮大さ。
土佐の両面が「沢田マンション」には融合していた。歴史的名作であると知った。
何せ屋上が菜園で、鶏を飼っていて、人のうちの庭先に入ってしまった感じで、しかし優しく迎えてくれるのだ。立体コミューン。
スロープはこう人をつなぐんだ、屋上庭園はだから人を幸せにするんだと教えてくれる。
要は「人工土地」である。吉阪隆正がやろうとして達成できなかったことが、できていた。
ここ高知で、高知だから。

沢田マンション02
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「アート&70年代(以降)生まれの建築家」という枠組みの展覧会が、この夏は東京で2つ。
ともにレセプションが7月31日からだったので、巡ると「夏フェス」という感じだ。

大西麻貴+百田有希による「夢の中の洞窟 は、東京都現代美術館の中庭(メディアコート)にフォーリーがつくられている。かたちも不思議だが、素材感もふしぎ。見る距離によって前景化される素材感が違い、それが森のようなかたちに屈折して見飽きない。別の天気、別の時間のときに、また来たいと思った。
館内の展示スペースには、制作過程を早回しで移した映像や、プロジェクトの模型一覧。とぐろをまいたような住宅は初めて見た。
これは若手作家のサポートとして行われる「MOT×Bloomberg PUBLIC 'SPACE' PROJECT」の一環で、入場は無料。2010年の1月17日まで開かれている。

伊藤展

新建築の橋本純さんと会い、せっかくだから見に行きましょうということで、これも東京都現代美術館でオープニングの「伊藤公象展」を見に行ったら、実に大当たり。
これが土?と思う。その意味では日常的な素材を裏切っている。しかし、これほどにマテリアルそのものから出てくる形も無い。
それが五感をいたく刺激するのだ。
手を触れれば崩れそうで、触りたくなる(しかし頭では固い陶器であることは分かっている)
既知のあるいは未知の味覚を感じさせて、舐めたくなる(もちろん味などしないだろうが)
一方で、造型はスケールフリーである。ある瞬間には電子顕微鏡を覗きこみ、次の瞬間にはまだ見ぬ古代都市を俯瞰している自分がいる。
建築でいうと、大西麻貴+百田有希と、石上純也(のスケール横断感)が同時にある感じか。
それは、いい意味でシリアスではない。見ていると、隣に「ふにゃ」とか「パリン!」とか、マンガのように吹き出しを書き込みたくなる
長年の素材の追及が、崇高や自然回帰ではなく、深いユーモアへと達している。
アートというのはすごいものだと、久しぶりに思った。

藤村展

さて、表参道のGYREに移動して、「ARCHITECT TOKYO 2009」および「ARCHITECT 2.0」展のオープニング・レセプションへ。ずいぶん人がいたが、それでも一時よりは減ったという。
模型やスケッチなど表現方法もさまざまで、mashcomixによる戦後日本建築史マンガもある。
これだけの場をまとめる面倒さを藤村龍至さんが引き受けていることに、まず感服。
そして、よく見れば各展示の解説が、実に藤村龍至的文脈からの解釈だ。忙しい中でもこういうことをきちんとやるところがいい。

昔、東高現代美術館で、妹島さんや隈さんなど当時の若手建築家による展覧会が開かれたことがあって、その内容は何も覚えていないのだが、ギャラリーで建築展をするんだぁという学生時代の感慨を今でも新鮮に覚えている。
ひとまわりして、建築家がまた違う関り方でそうした場に出て行くのは、多様な波及効果が期待される意味で悪いことではない。意外な出会いが人生の夏にはあって、夏は意外と短いから、自分で楽しまないとならない。

藤村さんたちの打ち上げ
プロジェクト展審査会02

3月3日から8日にかけて代官山ヒルサイドテラスで開催される「トウキョウ建築コレクション2009」以前の関連記事)。
3月3日の「プロジェクト展」にコメンテーターとして参加することになり、その審査会が開かれた。

プロジェクト展審査会01

審査をご一緒したのは、『畑がついてるエコアパートをつくろう』の著書等があり、エコロジーの実践に詳しい山田貴宏さん(4日のコメンテーター)、横浜市寿町の地域再生を手がけているコトラボの岡部友彦さん(5日のコメンテーター)。
12点の枠に、近くは東京、遠くはアメリカの大学の研究室から全15点の応募があった。目を通すとどれも力作なので、審議の結果、それぞれの持ち時間を調整することで、1日5点の発表数に変更する。発表の後、約1時間のディスカッション時間を設けるのは原案の通り。
別々の場で試みられた5つのプロジェクトが刺激し合って、それぞれのプロジェクトの「その先」が見えてくるようになるといいね、と。
「プロジェクト展」は3月3日・4日・5日のそれぞれ18時から、ヒルサイドテラスH棟「スタジオヒルサイド」にて。腰を据えて言葉が交わせる会場構成を考えているようなので、今の建築系大学院生が何を考えているのか、興味をお持ちの皆さま、ぜひ現場に立ち会ってください。

トウキョウ建築コレクション2009チラシ

同時開催の「全国修士設計展」と「全国修士論文展」も昨年を上回る応募数とのこと。
6日の13~19時は「論文」の公開討論会。コメンテーターは今村創平さん、小野田泰明さん、金田充弘さん、高木洋人さん、渡邉研司さん。
7日の10時半~19時が「設計」の公開審査会で、審査員は古谷誠章さん、乾久美子さん、木村博昭さん、内藤廣、西沢大良さん。
8日の14時~16時は「東京を語る」。今回の講演者は二川幸夫さんだ。

「INAX REPORT」177号

二川幸夫さんと言えば、出世作『日本の民家』の文章を基にした、伊藤ていじさんの『民家は生きていた』を特集した「INAX REPORT」177号のPDF版がウェブサイトにアップされている。
前に書いた通り、16~17ページの「序論」を書かせていただいた。
立石のポリスボックス

先週末は京成立石のアーケードで飲み、「ちょっと失礼して」と席を立つと、こんな物体に出会った。
なんだか帽子をかぶった警官のように見えなくもない。
記事は「小屋」続きだ。最近「身の丈」の空間や家に熱い眼差しを注いでいる鈴木明さんにお尋ねしてみようか。

京成立石の風景

*「建築浴MAP」(googleマップ)で所在地を見る
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